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「おぉ、おはよ。どうした、今日早いじゃん」
「ん? まぁ、ね」
ぐるぐるに巻かれたマフラーから覗く鼻先が少し赤い。確かに今日は一段と寒いな。
「いつも朝会わないのに珍しいな」
隣の家に住んでいても、違う大学に行くようになってからはすれ違いでほとんど顔を合わせていなかったのに。少し見ない間になんか大人っぽくなった気がする。女子ってなんで高校を卒業すると一気に大人っぽくなるんだろう。
「これ、誕生日おめでと」
「え、マジくれんの?」
差し出されたのは赤いリボンの掛かった四角い箱。これはまさに、チョコ、だよな。
「どうせあんたのことだから他にも沢山もらうだろうけど、あげる」
「やった、ありがと。俺、今年からは全然チョコもらえないだろうし、嬉しい」
だってチョコ好きだし、もらえないよりもらえるほうが断然良い。
「え、そうなの?」
「そうそう、大学で女子の知り合い居ないし、今年は母さんのだけかなって思ってたから。これで友達に自慢できるわ。いやー持つべきものは隣の家の幼馴染だねぇ」
なんて、チャラけたのに。
「そ、そっか」
どうしてそんな、俺よりも嬉しそうな顔で頷くの?
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