(幕間)〜クレアの手帖~

セレスタイトへ




あなたがこれを読んでいると言うことは、きっと私はもうこの世には居なくて、あなたが大変な事態に陥っているのでしょう。



 でも、あなたならきっと大丈夫。




まずは落ち着きなさい。


焦ってはいつもなら出来ることも出来なくなってしまう。


どんな時もまず深呼吸して、落ち着いて、そして前を向きなさい。


そうすればきっとどんな事だって出来るわ。


 大丈夫。


 私はあなたを信じている。




この手帖には『秘術』と試作品の魔法陣を記しておきます。


どちらも下手をすれば命に関わる物だと言うことを改めて伝えておくわ。




特に試作品の魔法陣は一度も使ってみた事のない物がほとんどだから、発動後にどんな副作用が起こるか私にも分からない。


中途半端な覚悟で使うのは絶対にやめてちょうだい。いいわね?




 さて、この手帖は私があなたに贈った手記の最後の一冊です。


セレスあなたは私にとって、いいえ私達夫婦にとっての自慢の娘よ。自信を持って。




私達はいつもあなたの幸せを願っているわ。




あなたの母親より愛を込めて


  クレア





____________________










「あなたの行く道に幸せがありますように……」




手帖を閉じながら誰にも知られず、そう呟いたその人の目には、静かに涙が溢れて落ちた。











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