放課後、きみの手をとり迷宮へ
奈古七映
プロローグ
寂しかったから。
その理由はたぶん間違ってはいない。だけど真実でもない。
不自然で不適切で、不道徳な私たちの関係をいったい何と説明したらいいのだろう。きみは愛の言葉など一つもささやかないし、私だって確かな約束や誠実な態度を求めたりしない。いつか、そう遠くない時期にひっそりと終わる関係だと思っていた。
それでも、あの頃の私には必要なことだったのだ。
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