第26話【意味不明】

スメーを見た愉快な仲間達。

反応は一様に驚愕だった。


「・・・一旦別室に移ろう、 男爵、 何処に話し込める所は有りませんか?」

「ではこちらに・・・」


チーオヤの案内で別室に移った一同。


「さて、 見て貰ったけど如何だった? 皆の意見を聞きたい、 教授は何か分かりましたか?」


ハシモトが話を振る。


「恐らく、 霊、 だと思う、 神格存在、 精神生命体等の霊以外の存在では無い

霊なのは確実だが、 あんなタイプの霊は見た事が無い」

「なるほど・・・ならタコさん、 貴方の経験であの様な霊は見た事有りますか?」

「無いの・・・ただ経験上、 アレが霊だと言うのは賛成する」

「そうですか・・・他に何か分かった方居ますか?」

「うーん、 そうですね動物霊が専門の私から言わせて貰うと

アレは知性がある様に見えます、 動物じゃないですね知性を感じますので」


ムッゴローが口を開く。


「知性ですか?」

「それは何となく俺も分かるわ、 アレは動物とかじゃなくて人間と対峙した感覚や」


ボクも賛同する。


「・・・知性が有る事は賛成だが理性は無さそうだな

俗にいう狂人と言う奴だと思う」


ゴリラが重たい口を開く。


「何方にせよ、 話が通じる相手ではない、 と言う事か」

「全く持って意味不明ですね・・・」

「ここから如何やって除霊するつもりですか?」


チーオヤが尋ねる。


「とりあえず知性を持つ生き物の霊と言う事は分かりました

意味不明なと言う枕詞が付きますが・・・」

「そうすると、 如何いった対処が一般的なのですか?」

「殴り飛ばす、 とかゴリ押しで行けるんですが・・・」

「それだと赤ん坊の御嬢さんがヤバい事になるな」


ハシモトの言葉をボクが止める。


「じゃあ如何しろと?」

「御嬢さんが殴り飛ばされても大丈夫な年齢まで待つ

と言うのが良いと思う、 が・・・」

「あの霊相手に時間を置くのはちょっと危険かもねぇ・・・

意味不明な相手だけに何が起こるか分からない」

「・・・・・ハシモト君、 ここは彼の出番では無いのかね?」

「彼・・・アイツですか・・・」

「アイツ?」

「凄い変わり者ですが・・・

意味不明な相手には意味不明な霊媒師をぶつけるのが良いかもしれませんね」

「お願いします、 お金なら払いますので」

「そいつはお金じゃ動かないんですよ・・・」


―――――――――――――――――――――――――――――――


【登場人物紹介】

ダンコー

幽霊講談師、つまり怪談専門の講談師である

年若くイケメンでもある、女性関係も若干ごちゃごちゃしている為

最近は幽霊よりも女性の扱い方を知りたいと思っている

好物はあんみつ

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