第19話【大富豪・その9】
「お待ち下さい、 カイキューさん
ルールはそこに書いてある通りですが勝敗に関しての話を言っておりません」
シンパが始めようとするカイキューを制止する。
「おっと、 それもそうだったな
都落ちが有るからポイント制かな?」
「四人居るので最初に上がった順に大富豪、 富豪、 貧民、 大貧民とします
そして順位毎にポイントを振り分けます
大富豪2ポイント、 富豪1ポイント、 貧民-1ポイント、 大貧民-2ポイント
3回繰り返して1番ポイントが多い順で決着を着けます」
「なるほど・・・つまり俺が1位じゃ無かったら、 俺はフーゴの体から出ていく
そう言う事になるのかな?」
「・・・・・・・・・・そうなりますね」
「何だ今の間は」
「個人的な感想ですが、 少々思い上がり過ぎでは?」
「何故そう思うんだ?」
「貴方は勝敗についてのルールを確認しなかった落ち度が有る
少々気を抜きすぎでは?」
「抜いているんじゃなくて、 気が逸っているんだよ」
「逸っている?」
ふふふ、 と笑うカイキュー。
「大富豪を初めて幾星霜、 大富豪が楽しくて楽しくて仕方が無い性質なんだ
ワクワクし過ぎてさっさと始めたくなるんだ」
「・・・なるほど」
「あぁ、 それから黒装束で誰が誰だか分からないのは良いが
個体識別は出来る様にした方が良いんじゃないのか?
誰が大富豪になったかとかは分かる訳だし、 個体識別が出来なくなるのは面倒だ」
「なるほど、 ではA~Dのバッジでも付けておきましょうか」
バッジを黒装束に置くシンパ。
「あ、 そうだロストナンバーの数字って如何やって決めるんだ?」
「私が始める前に一枚カードを引いて決定します」
「なるほど」
「他に質問は?」
「俺は無いよ、 おたくらは?」
三人を振り返るカイキュー。
「特に無いね」
「あ、 あの、 ハシモトさん」
ニコがおずおずと手を上げる。
「何?」
「何というか、 私、 話を殆ど知らない、 と言うか今知った様な状況なので・・・
何か作戦とか無いんですか?」
「無いね」
「無い? え、 良いんですか? 負けちゃうかもしれませんよ?」
「相手はプロ大富豪プレイヤー、 下手に策を持った方が危うい」
「そんなもんなんですか?」
「そんなもんなの、 じゃあそろそろ始めようか」
「そうだな」
それぞれ別室で黒装束に着替える四人だった。
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