第11話【大富豪・その1】
とある日の事。
「ニコは大富豪、 やった事有る?」
「有りますよ、 大富豪やった事の無い人って居るんです?」
大富豪とはトランプゲームの一種である。
まず一組のトランプを参加者全員に配り、 ダイヤの3を持っている者が最初の親となり
最初の親が手札から最初のカードを出し、以 降順番に次のプレイヤーがカードを出し重ねていく
カードには強さがあり、 弱い順に3,4,5,6,7,8,9,10,J,Q,K,A,2とされ
ジョーカーはワイルドカードとして扱れ最強のカードである。
次のプレイヤーは、 場にある現在のカードよりも強いカードしか出すことができない。
出せるカードがない時、 もしくは戦略上出したくない時にはパスが許される。
パスの回数は制限されない。
他のプレイヤー全員がパスし、 再び場にあるカードを出したプレイヤーまで順番が回ってきたらそのプレイヤーは親になる。
このとき、場にあるカードは流されて親は手札から好きなカードが出せる。
親は複数枚の同じ数字のカードを合わせて出すことができる
(例:4のペア(4♠ 4♦)や10のスリーカード(10♦ 10♥ 10♣)など)
複数枚カードが出ている場合
プレイヤーはその数字より強いカードを場と同数枚組みにして出さなければならない。
例えば5が2枚出ている場合には6以上のカードから同じ数字のペアを出す必要がある。
ジョーカーを用いる場合には組み合わせて出すこともできる。
以上を繰り返し、 一番早く手札が無くなった(上がった)プレイヤーが大富豪となり
以降上がった順に富豪、平民、貧民、大貧民と階級がつく。
第2ゲーム以降は、カードが全て配られゲームが開始する前に
大貧民と大富豪、貧民と富豪のプレイヤーがそれぞれ手札の中で最も強いカード
(大貧民は2枚、貧民は1枚)と好きなカード(大富豪は2枚、富豪は1枚)を交換する。
また、ジョーカーは交換しなくても良いというルールもある。
最も低い階級の人を親として次のゲームを始める。
基本的なルールはこれだけだがローカルルールが大量に有り地域差が激しいゲームでもある。
「何でも連盟まであるらしいぞ」
「当たり前じゃないですか? この国の大富豪人気は凄いですからね
全国大会まで有るじゃないですか」
「そう、 その全国大会の決勝戦ドヒンVSダイVSヒンミーVSジンセVSフーゴを
今回観覧する事になったんだよ」
「えぇ!? 本当ですか!?」
「あぁ、 まぁ仕事だけどな、 それでも来たいか?」
「行きます行きます!!」
眼をキラキラとさせるニコであった。
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【登場人物紹介】
ドヒン
国内トップ大富豪プレイヤーの一人
年収1億Gは稼ぐトップランカーだが身形は貧相である
勝つ為に必要なのはハングリー精神だと思っており
常に勝利に貪欲である、異名はスペ3の申し子
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