第9話 リベンジ達成

憎きベアにリベンジするため、再度森の奥へとやってきた俺は、探査系魔法サード・アイで周囲を索敵しながら、慎重に足を進めた。


そして見つけたのだ、前回やられた場所からほど近い場所でブラッド・ベアを発見した。


どうやら食事中のようだ、敵は仕留めた獲物を喰らっている。

チャンスだ。

どんな獣も食事中は警戒心が鈍る。


気づかれないように、魔法の射程距離まで近づくと、フォトン・ブラストを浴びせる。

完全に不意打ちだったので、全弾命中するが、やはり倒しきれない。


食事を邪魔されたベアは、怒り狂ってもの凄い勢いでこちらに向かって来ると、かぎ爪を、思いっきり振りまわしてくる。

前回はこれで痛い目にあったが、今回は違う。大枚をはたいて手に入れた防御魔法があるのだ。

次の呪文までのタイムラグをプロテクション・スフィアが受け止めてくれる。

ベアの攻撃を受けるたびに、バシッ、バシッと音を立てて魔法の光球が揺れるが、突破されることはない。

その間に俺は、次の呪文を生成する。


「喰らえッ、ファイア・ジャベリン!」


魔物のどて腹にファイア・ジャベリンをお見舞いした。

魔力で燃え盛る真っ赤な槍が、ベアの固い筋肉を貫通して、背中まで突き抜ける。

第一階梯最強の攻撃魔法は、見事一撃で魔物を葬り去った。

こうして俺は、見事リベンジを果たしたのだった。


ブラッド・ベアを倒したことで、一気に2レベルも上昇、レベル10に到達した。

さらにステータスを確認すると、能力アップに加えてスキルポイントなる物も獲得している。


これはエクレールに相談した方がよさそうだ。

強敵に勝利て上機嫌の俺は、早々に狩りを切り上げて書庫に戻ることとした。

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