ジャンクガレッジ
@a0624
第1話
『うおぉぉー死んじゃう!マジ死んじゃうから~!』(アッハーン☆)
ズガガガガ!!隠れている壁が削れる。
「バカ野郎!うるせぇー叫ぶ暇があったら応戦しろや!つか誰だよ!!稼働停止でラッキーとか言ったバカわ!」
キュイーン、キュイーン!ドゥルルルル!!
『うっせ!お前だってホントだラッキーとか言って、スキップしながら先に入ってたろーが!』
ガリガリ!ガリガリ!
ヤバいな敵のバルカン砲が火を吹いて壁が、
『イヤ~!壁が~ちくしょう!』
ちくしょう!なんてツイてねぇんだ。
ガシャン!
「この通気孔から逃げるぞ!」
『何処に繋がってんだよ!』
「知るか!良いから行け!」
このままじゃどうせ死んじまう!
……こうなった原因が誰とは言わんが「何故こうなった」と落下?加速していく中で、溜息混じりに考えてしまう。
今の仕事、ジャンク屋(リサイクル回収業)を始めて5年、すこぶる不景気だ…
俺は17時になると、いつも通り作業を中断し行きつけのスーパーに向かうため財布とキーを持って作業場の表に出た。
「ふぅ~ かったりー、今日は何が特売だったかな?」
そんな事を呟きながら車を走らせ始めた。
そうそう、買い物ついでに自己紹介をしようじゃないか、名前は「ロウ・ジルマン」年齢「38」独身 現職業「ジャンク屋」だ。
「フム、今日は特売の唐揚げ肉に安物の焼酎だな」
そう呟き、買い物カゴに鶏肉(なんの鳥かは不明)と焼酎を入れレジに向かった。
自宅兼作業場の冷蔵庫に適当に買ってきたものを放り込み、中古のソファーに寝転んだ「飯は後で作るかと」旧式の端末で今日の売上を確認する。
「マジか~全然売上がない…このままいくと、もって半年かよ~」
ヤバいな、趣味と合わせて始めた仕事だったが、
とうとう前職(ヒ・ミ・ツ☆)で貯めていた金も底をつきそうだ。
本来なら、ハードボイルドを信条に生きてきた自負もあり、私立探偵でもと思っていたが需要がゼロに近く泣く泣く諦めた。
当時、何気に人気のあったジャンク屋を始めて5年、スタート時は右も左もわからない状態で始めたが、前職の伝で何とか軍需廃棄品など使えそうなリサイクル品の修理等で食い繋いで今日まできた。
「違う仕事が良かったのかね…まぁんなこと言ってもしょうがねぇか」
と端末を放り投げようとしたところで、コールが鳴った。
『よう!ロウ元気か?』
誰かと思えば同業のゲンジからで、
『聞いてくれ!見つけちまったぜ!』と興奮した様子で連絡がきた。
久しぶりに連絡がきたらと思ったら、何が見つけちまったのか検討もつかんが、かなり興奮している事からコイツの事だ、ロクでもないんだろうと思いながらも話を聞いてやるかと聞き返した。
「んで、見つけちまったってなんだ?大昔のビニ本でも堀当てたか?(笑)」
『バーカ!ちげーよ、兎に角スゲーもんよ(笑) とりあえず、これからお前ん家行って大丈夫だよな?』
んー…少し考えてからまぁ良いかと、了解の返事をして端末を切った。
これから俺に会いに来るとゲンジから言われたのと、ここに来るのに1時間以上かかるだろうと予想し、軽くシャワーを浴びる事にした。
…シャワーを浴び、冷やしておいたビールで一服して待っていると端末に連絡が入り、家に着いたと連絡がきた。
ちなみに俺が住んでいる場所は、オンボロだが一階が作業場(地下もある)の2階が事務所兼自宅という感じだ。
※なんと夢のマイホームなのだ!…(ドヤ顔)
ただかなり街から遠く、買い物するのにも片道1時間以上かかるという辺鄙な場所だ。
知人から格安で譲ってもらった事と、今の職業も考えて周りに迷惑がかからないだろうと配慮の上での購入だ。(今更カネもないから引っ越し出来んがな…)
階下に赴いた俺は、ゲンジを迎え入れる為にキーを解除し扉を開けてやった。
『うっす!相変わらず、お前ん家は遠いな』
うっさいわ、来てそうそう文句言うな遠いのは自分がよく知ってるわ。(まったく…)
「んで、あんなに興奮してた理由って何よ」
まぁ待てよといった態度で、煙草を取り出し
『とりあえず一服させてちょ』と火を点けた。
ふぅーと煙を吐き出し、一息着いたところで実はなと話始めた。
実はな…神妙な面持ちでゲンジが話した内容は。
多分と付け加えた上で、
『開拓時代の旧施設を見つけたんよ。もし未発見の施設なら億万長者だぞ!一緒に仕事しねぇか、お前暇だろ』
と…確かに暇と言うより金がないという焦りと、旧施設と聞いた瞬間俺の心が趣味全開で引き付けられてしまい、質問もせず簡単に請けをってしまったのが事の始まりだった……。
※ロウ※
「うおぉぉー何処まで落ちるの~マジやばいでしょ!つかゲンジは何処に落ちたんだ!」
通気孔かろ脱出して落ちている最中だが何処まで落ちるのか加速がヤバい!
かれこれ1時間以上落下していてスピードがヤバい、
"ゴン"
あっ…何かにぶつかったと思う間もなく、そこで意識が途絶えた。
ガッコン、、パシュッ、、、 気を失った状態で投げ出された。
グシャ!
ウィーン…カタカタ…
『…回収…』
『…生命反応……確…バイ…低…』
『3分…停…認…』
『緊…ノ為……カプセルニ……』
※ゲンジ※
……いってぇ~どこだよここは、クラクラする頭で回りを見回すが…多分あの戦闘のあった階層じゃない事は確かだな。
ロウと通気孔に逃げ込んで、ジェットコースター並みのスピードで滑り落ち?落下で難を逃れたのは良いが、辺りは真っ暗……
『まったくツイてないぜ』と呟きつつ通路を進むが。
暗闇と静寂が支配したような世界で、ただ1人
むっちゃ怖い!
『あっ、ムリ俺漏らしそう』☆ミ
ガタッ
『ひっ』
恐る恐る振り返る、アサルトライフルを向け……先には、
赤いセンサーが点滅しているのが見えた瞬間。
『ノオォォー~助けてママ~』
色々なところに、ぶつかりながら逃げ出すのであった。
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