不揃いな金平糖ですが、1粒どうぞ。
金平糖
酸素
「きみってさぁ、酸素みたいだよね。」
隣を歩く彼女が何を思ったのか、急に変なことを言い出した。
「急にどうした?」
「たくさんの人に必要とされててさ~。」
しみじみと羨ましそうに彼女は言う。
「俺人気者だから。」
「それに比べて私は、二酸化炭素かな。」
「⋯⋯なんで?」
文系の俺の頭では理解が追いつかずに返答が遅れてしまう。
「いてもいなくても変わんないし、敢えて行っちゃえばいない方がいい、みたいな?」
「なんかあったか?」
久しぶりに彼女のネガティブスイッチが入ってしまったかと心配になり顔を覗き込もうとする、がそれをあっさりと交わして1歩先へ行く彼女。
「でも、私にとってきみは木だと思うの。二酸化炭素を酸素に変えてくれる。」
背を向けてそういう彼女が一体どんな表情をしているのか、俺にはわからない。
「・・・・・・お前の言ってることよくわかんないど、俺が酸素ならお前は人間でいいと思う。」
「・・・・・・」
なんで?というように振り向いて首を傾げる彼女が可愛くて、勿体ぶりたくなる。
「強いて言うなら宇宙に行くような奴な。」
頭一個分くらい下にいる彼女の頭をポンポンとして俺も1歩先を行く。
「⋯⋯どういうこと?」
そんな俺を小走りで追いかける彼女に、心の中で呟く。
俺だけを必要とすれば?
不揃いな金平糖ですが、1粒どうぞ。 金平糖 @blaue_Konfetti
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