アヴィスの魔女

misura

序幕 回顧録

親愛なる魔女へ




 丘の上には、寂れた小さな教会がある。

 

 

 

 

 甘酸っぱい果実の香り、そして振り返る君は、いつも弾けるような笑顔で迎えてくれた。

 

 


 

 

 

 すべては一抹の夢だったとでも言うのか。

 


 

 

 

 未だに君のことを夢に見るというのに。

 

 

 

 

 

 

 すべて君が教えてくれたことだった。

 

 



 

 

 

 

 こんなにも胸を締めつけるものがあるんだと、愛おしい微笑みを向ける君が教えてくれた。

 

 

 

 

 そして僕の手を振り払って、君はいなくなってしまった。最後に君がくれたぬくもりを、今も忘れられずにいる。

 

 

 

 きっともうこれ以上、人を愛せることなんてないだろう。

 

 

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