[2018年6月4日月曜日]有限と同時に無限の物語

テツガク肯定

1章 牡羊座

 眠れない夜、どのように過ごすだろうか?

 その答えは人それぞれだろう。

 

 僕にはそういう時、いつも考えることがある。

 目を閉じ、宇宙を想像する。

 太陽系の星星が見えてきた時、物騒だが愛しの地球が寿命で消えてしまったら、どうなるだろうか?

 そして、次にする事は、太陽系の全ての星星が消えてしまったら? 

 その次は、この宇宙の全ての星星が消えてしまったらどうなるか?

 きっと、その答えは『真っ暗な世界』だろう。目を閉じているこの状況と同じ。何も見えない。

 

 そこに知らない声がこう訊ねる。「その宇宙という空間も消えたら、どうなるの?」と。

 もし、それに答えがあるとしたら、赤、青、黄、緑、金、銀など、黒色以外の色であれば、何色の世界でもいいと思うが、僕は真っ白で、果てのない世界が広がっている、と答えた。

 その後、その声は様々なことを訊ねる。

 友達ってなに? 学校ってなに? どうして学校に行かないといけないの? どうして寝ないといけないの? どうして朝がくるの?

 様々な当たり前について、改めて問いかけてくる。

 その問いかけに、僕は答えられない。よく考えてみたら、どうして僕は眠れないことに、焦りを感じているのだろうか? その答えが自分でも分からないのだから。

 仮に明日のため、と答えても、明日ってなに? と訊ねられたら全く答えが分からない。

 

 そして、その声の主が最後にする質問は、いつも決まっている。

「あなたは、どうしてここにいるの?」

 この魔法の言葉に、僕は無の世界に吸い込まれている感覚に陥る。

 それまで生活していた世界が、まるで嘘のように思えてくるのだ。

 どうして手は動くの? どうして見えるの? どうして人間なの?

 精神が、この肉体がある世界を拒絶しているような感覚だ。

 そして、僕は無の眠りに落ちる。

 寝れない時、僕がよくする習慣だ。

 もし、よければ、あなたも眠れない夜に試してみて欲しい。

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