㶚霎撕尊剣メルガノッサ

 ヴィセンテ・ガトニスが所有している氷を操りし剣。星を割り、永久凍土へと変えることが出来る恐ろしき剣と言われる。



〜名前~

 燠燿尊剣しゃくようそんけんメルガノッサ→㶚霎撕尊剣はそうしじゅんけんメルガノッサ


 打ち直され、異名の部分のみ変わるのは非常に珍しいことである。



〜打ち直し〜

 本来、完成度の高い武具を他の鍛冶師が許可なく無断で打ち直すことはご法度とされている。

 元の製作者の苦労と努力を愚弄ぐろうし、さげすむ行為となるからだ。


 だが、所有者の適性に合わせた武具を作りきれない・無視する鍛冶師は論外であり、その限りではない。



~動向~

 元々は火聖神アウロギの趣味である鍛冶研究で作られた大量生産品の雛形を使用している。


 どこにでもあるような意匠の剣をヴィセンテの荒かましい使い方に耐えられるように、100本分を圧縮して造られた。


 ヴィセンテ本人の熱い希望と、雑な対応をしたアウロギによって炎を操る剣になり、しばらく使用されていた。


しかし、悲劇が起こってしまう。


デュラハンの女王の罠によって、炎は無効化され、持ち主のヴィセンテ共々惨殺されてしまったのだ。実はヴィセンテ、火属性を扱う才能が無かったのである。


 床に伏せる死の神エルゼンハウズのお見舞い後、偶然通りがかったスサノオに拾われ、高天原たかあまはらで転生。

 すぐに天目一箇神あめのまひとつのめのかみ、通称ダイダラさんの鍛冶工房で修繕されることになった。


 スサノオの調査によって、ヴィセンテに氷・土・闇属性以外の適性がないことが判明。メルガノッサも最適化されていく。

 

 “スサノオ様憑依転生事件”の後に生まれ変わったメルガノッサは、新たな剣生を歩みだす。



~特徴~

 透き通るほどの蒼い刀身には、常に冷気が纏われており、よく見ると層状になっている。


 所有者のヴィセンテ、彼の妻ちとせ、鍛冶師以外が握ると凍結したり、全身がかち割り氷になってしまう。


 雅臣が持った時はメルガノッサの方が粉々に砕けた。


 外側が割れても大気を凍らせた氷で補完出来るため、実質無限である。


 炎の剣だった当時は因子人格も熱血な少女で、打ち直された衝撃により、ドSな冷酷少女へと変貌してしまった。



〜因子人格〜

 毒舌・冷酷・ドSの三要素が揃った幼女の姿を持つ。高飛車でデレることはなく、基本的に上から目線。


 この世の人類は全て奴隷・自分以下だと考えている。例外的にダイダラさんは恩人、ちとせは友達と考えている。


 所有者のヴィセンテは飼い犬orオモチャ扱い。今まで気に入らなかったら幾度も殺しているが、再生の権能で元通りになるので暫くは共にいる予定。


 全属性を無意識にねじ伏せて屈服させてくる雅臣のみ一番怖い。号泣するほど怖い。まさに唯一の天敵だ。それはもう、近寄りたくないほどである。


「メルガノッサ、元気そうだね」

『ひぎゃぁ!? 来ないで! また自我が無くなるまで砕くつもりでしょ!!?』

「あれは無意識でつい……あ、逃げられちゃったか」



~能力~

 氷を操る能力で、作中最強の氷結系操作力を誇る。


 ヴィセンテの破壊の権能とかけ合わせることによって、凶悪な効果を発揮。世界に水分子がある限り無制限に凍結が可能だ。


 更には時間や現象の凍結までできてしまう。


 ただ、所有者のヴィセンテが冷凍庫代わりに使うことが因子人格としては気に入らない。



冰帝ひょうていの極圏〙

 ここぞというときに出す秘技。メルガノッサを楔のような短剣に分解して各地に投下。柄先にくくりつけた氷の糸で冷気を伝導し、指先のみを合わせてエネルギーを循環、増幅させる。


 冷気が充満してきた頃、仕上げに 口元から冷気を放ち「カチン」と噛み、氷点下爆発を起こし、氷の糸を切り離すことで発動する永久凍土は、如何いかなる灼熱の地でも刹那せつなにしてて尽くす。


 この技は〘魔界の獄炎ごくえん〙や〘天界の浄炎じょうえん〙にも効果を放つ。

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