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ふと沈黙が訪れるも、瞬くんは私の手を包んだまま、じっと甘い視線を送ってくる。
すごくすごくかっこよくて胸をときめかせていると、ゆっくりと顔が近づいてきて、私もゆっくりと目を閉じた。
甘く優しいキスは何度もらっても嬉しい。
少し離れてはまた口づけて。
終わりがないんじゃないかと思うほどに、お互いを求め合った。
突然背中がくすぐったくなって、私は身じろいで変な声をあげる。
「ひゃっ!」
瞬くんが背中側から服の中に手を入れていたことに気づき、一気に心拍数が上がった。
「してもいい?」
甘えたような声で求められ、私に拒否権などないように思う。ううん、それ以上に私も瞬くんを求めている。ここから先に進んでみたい。
私はコクリと頷いた。
だけどどうしよう。
私にはここから先の経験値が足りないのだ。一体何をどうしたらいいのかわからない。このゾクゾクした気持ちはどうしたらいいのだろう。
頷いてしまったものの、今更ながら焦りを覚えた。
どうしよう。
どうしよう。
初めてなんだけど。
初めてって引かれたりしないかな。
私はどうしたらいいの。
ああ、経験豊富(だと思う)未菜ちゃんに聞いておけばよかった。
いやいや、こんなこと未菜ちゃんにも聞けないでしょ。
わー、どうしよう!
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