37
「あとね、すごく子供っぽいかもしれないんだけど、えと、クリスマスカードもあって。」
未菜ちゃんには子供っぽいと言われたけど、たくさんたくさん気持ちを込めたクリスマスカード。勇気を持って瞬くんの前に差し出すと、瞬くんは口元を手で覆って俯いた。
そんな姿を見て、一気に後悔の念がわく。
「やっぱり子供っぽいよね、ごめん。」
慌てて取り返そうとすると、瞬くんはクッキーとカードを胸に抱えた。
「いや、その、すごく嬉しくて。感動してる。」
嬉しそうに微笑む瞬くんに胸が高鳴る。
そんなに喜んでもらえるなんて、こっちが嬉しくなるし気恥ずかしい。
「瞬くんったら、大げさだよ。」
「結衣。」
「ん?」
名前を呼ばれたと思ったら、頭を引き寄せられてキスをしていた。
触れるだけのキス。
甘くて優しい。
やばい。
嬉しすぎてやばい。
こんなに幸せなことってある?
「結衣、今日はお泊まりできる?」
「お泊まり?」
「俺のマンション。結衣を帰したくない。一緒にいたい。」
「…うん。」
艶っぽく囁く声が頭を支配する。
私は反射的にコクリと頷いた。
未菜ちゃん、本当にお泊まりの流れになっちゃったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます