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「結衣は保育士なんだ?」


「うん。」


「結衣の天職だね。」


「そうかな?」


保育士になって四年。

まだまだ未熟だし、先輩から叱られることもたくさんある。子供達は可愛いけど、正直可愛いだけじゃ済まされないことも多々ある毎日。やりがいはすごくあるけど、どちらかというと日々がむしゃらに突き進んでいるだけだ。それを天職かと言われると、甚だ疑問に思う。


私が納得していない顔をしていたのか、瞬くんはカメラを操作して一枚の写真を表示させ、私に見せた。


「あんなに子供達に慕われているし、とても優しい顔をしていたよ。ほら、写真の結衣もすごくいい笑顔。」


写真には、私の回りに子供達が集まっていて、みんながすごくいい笑顔をしていた。私もニコニコとしている。

いつも私はこんな風に子供達に笑顔を向けているんだと、初めて知った。


「ありがとう。私、こんな風に子供達と接していたんだね。なんかいろいろ気づかされるなぁ。撮ってくれて嬉しい。瞬くん、本当にカメラ上手だね。」


「結衣は本当に優しい。」


「へっ?」


優しさなんてこれっぽっちも出していないのに“優しい”と言われ、私はすっとんきょうな声を出してしまった。


「俺、写真のことで褒められたことってあんまりないからさ、嬉しい。」


瞬くんはほんのり頬を染めながら、嬉しそうに笑う。


すごくすごく意外だ。

こんなに上手く写真を撮るのに、あんまり褒められたことがないなんて。みんなの目はどうかしてるよ。きっと瞬くんが手掛ける情報誌にも、瞬くんが撮った素敵な写真がいっぱい載っているんだろうなと想像して、私は想いを馳せた。

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