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「ーー?…りー?……
マリー!!……大丈夫か?」
「…!!ご、ごめん!…何か言った?」
「いや。大きな声を出してしまったが、マリーが酷く悲しそうな顔をしていたから…カレンの言った事は気にしなくて良い。」
「う、うん…ありがとう…ゲイル」
「…マリー…」
「っ!ゲイル、そう!ご飯!ご飯にしよう!
お腹空いちゃった!」
「…あぁ、そうしよう」
グルグル回っている、この感情のせいで
ゲイルに心配させてしまった。
余りに酷い顔をしていたのだろう。
ゲイルはいつものように手伝おうとする私を
さっき頑張っていたから、とご飯は自分が作るから出来るまでアレンの横に座っている様に言ってくれた。
断固として曲げ無い様子だった事と、アレンが私の袖を引っ張りラグまで連れてきた事とで、しょうがなく座った。
アレンは身体を横たえて、顔で私を押し
お腹に寄りかからせる。
『マリー。お主は溜め込み過ぎる節が有る。
お主は聡い。それ故に、脆い。
言ってみなければ、聞いてみなければ分からないことだらけじゃぞ?
心の声なんぞ聞こえんのだからな。
それに、折角若くしてもろうたんじゃろうて
生き急がんでも良い。
ちと、我の毛にでも暫く埋もれておれ』
「…アレン…。
…ありがとう。じゃあ、少し休もうかな…」
なんだか、とても疲れてしまった。
心がぐちゃぐちゃだ。
ゲイルから少しだけでも離れた方が良いのだろう。
だからといって、今1人になると心が折れてしまっていたかもしれない。
ゲイルも、アレンもそんな私の複雑な心境を汲んでくれた様な気がする。
こんな優しい人達にこれ以上迷惑をかけたくない。
もっと、もっと
頑張らなきゃ………
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