第十話 リジェからの手紙

――満開の島 ロシリア・修道院


◇シスター

リコさん!


あなたは今まで

どこに行ってたんですかっ!?


手紙のひとつも

よこさないでっ!!


◇リコ

すっ、すいません~~~~ん!!


◇シスター

――でも


◇リコ


◇シスター

無事で、何よりです

元気なあなたを見られて

良かった――


◇リコ

シスター……


◇シスター

おかえりなさい

リコさん


◇リコ

はいっ!

ただいま戻りました!

シスター!


◇クロナ

シスターって、怖いけど……


◇アリア

でも、本当は生徒さんのことを

想っている優しい方

なんですね……


◇カイ

そうみたいだな……


◇シスター

ですが――


◇リコ


◇シスター

戻ってくるなら戻ってくると、

手紙のひとつも

送ってくればいいでしょう!!!


◇リコ

ご、ごめんなさ~~~~いっ!!


◇クロナ

あははっ……

やっぱり、怖い……かも


◇シスター

だいたいあなたは、昔から――


◇ユキノ

あっ! あのっ、シスター!

折ってしまった

桜の苗木をお持ちしました!


◇シスター

……見せてみなさい


◇ユキノ

いかがでしょうか……?


◇シスター

…………いいでしょう

みずみずしい生命力を感じる、

良い若木です


まだ……

こんな力強い木が

あるのですね……


◇リコ

…………


◇ユキノ

じゃあ、さっそく植樹しますね


◇シスター

いえ、それは私がやっておきます

ユキノさん、リコさん


◇ユキノ・リコ

はいっ!


◇シスター

久々の再会に

積もる話もあるでしょう

ゆっくりしていきなさい


◇アリア

やっぱり、

シスターさんは……


◇クロナ

優しい人、なんだね……

怒ると怖いけど……



********************



◇クロナ

精霊術の守護のために、

世界を旅してたんだ?


◇リコ

はい。そうなんです!

この修道院で、

精霊術を学んだあと――


もっともっと精霊術を

人の役に立てるため、

力をつけなくちゃ! って思って


◇アリア

精霊術を人の役に……?


◇リコ

そうです!


精霊術は、精霊たちの力を借りて

困っている人を

助けるための技です!


私は、世界中で困っている、

ひとりでも多くの人を助けたくて

精霊術師になったんですよ!


◇クロナ

えらい!

立派だ!!


◇ユキノ

リコは昔っからお人好しで

困ってる人を

放っておけないんだよ


◇リコ

いやぁ~、それほどでも~!


ゆ、ユキノちゃん!

それは言わない約束ですよぉ~!


◇ユキノ

でも、みんなから信頼されてる

いいヤツやつだよ!


あたしもリジェも

リコのことが大好きなんだ


◇リコ

そうだ……!

リジェさんに

会いに行かないと!


実は、私が戻ってきたのは

リジェさんから

手紙をもらったからなんです


◇ユキノ

リジェから!?


◇リコ

はい

リジェさんからの手紙には――


桜木のマナが

集まらなくなっていること……

それと――


桜が枯れ、空に大穴が開き、

島のみんなが不安に

陥っているこ書いてありました


それで

私に力を貸してほしいって!


◇カイ

そんなに、驚くことなのか?


◇リコ

そうです


だから、なんとしてでも

リジェさんの力になりたくて

私は戻ってきたんです


◇ノア

兄さん、

僕たちもリジェに用があるし……


◇カイ

そうだな

リコ、一緒に

リジェのところに行こう!


◇リコ

はい!



To Be Continued……

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