13.貴公子は……婚約者にセクハラしてもいい?
「ふふふ。リナは、世間の人たちには取り澄ました侯爵令嬢だと思われてるみたいだけど、色々表すのが苦手なだけの、奥手で可愛らしい人なのにね」
ちゅっ
リップ音を立てて、再び首筋にキスが降る。
「ん! や、あ、あの……! こんな場所で、こんな事は……侍女達も困ってるわ」
馬車で待っていた年嵩の女性は、頬を赤く染めて横を向き、見ない振りをしていた。
メリルは、耳まで赤く染めて、両手で顔を隠して俯いていた。
「本当に、リナは……」
リナは、何だろう。聞くのが怖いような。
「あれらは、見ない振りも出来るし、気にしなくていい。
……と言っても、君は気にするんだろうね?」
しないでいられる筈がない!!
熱があるからか、彼の腿と腿の間に収まって抱き寄せられてるからか、首筋にイタズラをされたからか……いや、その全てだろう、心臓がうるさく鳴り響き、胃のあたりが熱く、お腹の奥がギュッと締め付けられるような、初めて感じる苦しさに、それこそ気が遠くなりそうだった。
なぜか初めてじゃないと感じるのは、思い出せないけれど、彼が普段からこういうセクハラをしているという事だろうか。それとも、結婚間近の婚約者なら普通のことなのだろうか?
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