第六章 入城
第六章一節 行路
「三人ともおはよう。今日は伝えたい事がある」
リビングに来たタケル達は、先に起きていたシュランメルトに呼びかけられる。
「朝食は出来ている。食べながら話そうか」
いったん席に座らせ、揃って「いただきます」を言う。
しかしシュランメルトは食事を始めず、タケル達に向かって話し始めた。
「食べながらでいい。聞いてくれ。ベルリール城に向かうのは、昨夜話したばかりだな?」
「はい」
タケルも食事を中断して、返事をする。
「それに関して、行く手段を話しておく。タケル、リリア、リンカ。
「「えっ!?」」
話を聞いていたタケルはもちろん、食事中のリリアとリンカも驚いた。
「ベ、
「他に行く手段があれば教えてほしいくらいだ。
「で、でも……!」
戸惑うリンカを、フィーレがなだめる。
「落ち着いてくださいませ。わたくしとシュランメルトがいれば、
「は、はわ、はわわわわ……!」
あまりの展開に、タケル達は付いていけていない。
だが、この後のシュランメルトの一言が、タケル達の意識を引き戻した。
「それに、お前達を襲う連中はまだ残っている。
シュランメルトの言葉に、タケル達含む全員が押し黙る。
いまだアンデゼルデでは、
加えて、“巨大な壁で足止めしている”という前提が加わって初めて、実現しうる奇跡だ。
余談であるが、その奇跡を何度も起こしているのが、シュランメルト達のいるベルグリーズ王国である。ベルグリーズ北方に誇る超大な防壁、“
「確かに、その通りですね。正攻法では、到底止めるのは不可能。関節などに工作や攻撃を仕掛けるのであれば止めようもあるでしょうが、動いている
仕上げとばかりに話を挟んだのが、リラであった。
「……なるほど。よく分かりました」
タケルはようやく、納得した。リリアとリンカも同様に、首を縦に振っていた。
「決まりだな。朝食と支度が終わり次第、
シュランメルトはそう言うと、ようやく朝食を食べ始めた。
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