依頼2『勇者召喚』

ここはダンゼルガ国、


ここでは聖剣の洞窟が近くにある。


そこでは勇者召喚が行われていた。




「いいか!! この国で勇者を召喚できるのが一番いいんだ!! ここの洞窟に何故か二つの聖剣が封印されている! 魔王城から一番遠いがその分近くにある魔物に襲われている国々を救うことが出来る!! 準備はいいな!!」


「は! 神官様!!」






と言って皆召喚の呪文を唱え始めた。




『神よ!! 神よ! どうかこの世界を救い魔王を撃ち滅ぼす勇者の召喚を願います!! ……』




すると魔法陣が光出した。


それを見て神官は




「おお!! これは!! 成功か!!」




と言っていると




ピカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!




と薄暗い召喚の間に置かれている物が全て見えるぐらいに光った。


そして




ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!




と煙が当たり包んだ。




「エッホエッホ!! どっどうだ!!」




と言うと




「こっここは、異世界」


「そっその様だな……」




と2人の人らしき影が見えた。


そして




「やったぞ、召喚成功だ……」




と神官は震えていた。


そして、他の皆も嬉しそうに




「やったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」




と歓喜した。


それを見て啓示と舞は




「本当に異世界に来たんだな……」


「ああ、正直本当に召喚されるまで実感が湧かなかったよ……」




と言って辺りを見渡す。


すると神官は




「よっようこそ!! 勇者様!! まさか2人も召喚できるなんて!! 召喚できたのを嬉しく思います!!」




と戸惑いながら言った。


そして、他の人たちも




「よっようこそ!! 勇者様!!」




と言うと




「伝説通りやはり2人の勇者が召喚されました!! お祝いだあああ!!」




と言って神官が喜んだ。




そして、2人はその国の祭りに祝われた。




「すみません、何が何まで」




と言って舞はすまなそうにした。


それを聞いて神官は




「いえいえ!! ここはダンゼルガ国と言いまして魔王城から遠い場所になるですけど聖剣のある洞窟が近くにあるんですよ! 魔王が支配してから世界は酷い状態です!!」




と言って泣きそうになっていた。


すると




「おい、神官、勇者が2人召喚できたとは本当か?」




と1人の男が聞いてきた。


すると神官は




「王様!! はい!! やりました!! これで世界は救われます!!」




と言って嬉しそうにする。


王は




「良かった……本当に良かったよ……」




と胸を撫で降ろした。


王は




「すまないね!! 今日はお祭りだ! 楽しんでくれ! 詳しい話は明日城で話すよ!」




と言って王は




「今夜はお祝いだ!! 皆の者!! 大いに楽しめええ!!」




と言って皆その言葉に




「かんぱああああああああああああああい!!」




と祝杯を挙げた。




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そして、夜になり2人は一緒の部屋に入った。




「楽しかったな」


「そうですね……なぜ男と女を一緒の部屋にするのか……」




と啓示の言葉に舞は




「変な気を起こすなよ」


「さすがにそれはないですよ」




と言って笑った。


それを聞いて舞は




「それはどういうことだ?」




と聞くと




「だって……幼馴染だと姉弟みたいな感じがして……」




と苦笑いをした。


そして




「本当に死んで異世界に来たんだなあ……」




と啓示は言った。


すると舞は




「取り敢えず今日は寝よう、明日話を聞いてこれからが大変になるんだからな」




と言って2人は気まずそうに寝ることにした。


そして、2人は




((幼馴染とはいえ、小さい時以来何だよな、一緒に寝るのって……))




と考えながらも2人は眠った。




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そして次の日


2人は城へと呼ばれた。




「よくぞ来てくれた! 勇者よ!」




王は笑いながら2人に言った。


舞は




「ありがとうございます、王様! 神様から転生して貰ってこの世界に召喚された北島 舞です!」


「同じく転生させてもらった岡本 啓示です!」




と緊張しながら2人は自己紹介した。


王様は




「うむ、2人ともありがとう、それでは勇者2人にこの世界の魔王について話しておきたい」




と言って王は説明を始めた。




1000年前この世界に魔界から悪魔がやって来てこの世界を征服しすべての魂を自分の物にしようとしたという、そしてその進行が長い間続いていていたのだった。


そんな時1人の勇者が現れた。


その勇者は魔王を倒すために旅を続けて様々な種族の仲間と共に魔王へと挑んだ。


しかし、魔王は強く多くの仲間が傷ついた。


しかし、勇者は諦めずに戦い続けた。


しかし、強大な力で魔王を殺すことが出来ず封印する以外の方法がなかったのであった。


そして、封印された国の近くの王がその封印が解けないように管理していたのだが、もし封印が解けた場合を考えてその国から一番遠い場所に聖剣を封印して再びその剣を抜いて封印を解いて貰おうと考えたのであった。


そして、次世代の勇者に託したのであった、いつか魔王を倒してくれることを


そして、10年前に管理していた国から魔王が復活したという情報が入った。


その為、勇者の誕生を待ったが魔王の進攻が速く猶予が無くなって来たのであった。


その為、国の皆が勇者を召喚しようと必死になっていたがなかなかうまくいかなかった。このままでは成長しない状態の勇者を魔王と戦わせることになる負ける可能性を危惧してしまっていた。


そんな時に2人を召喚することが出来たという




「そして今に至ると言うことだ」




それを聞いて




「なるほど、でも昔の勇者が倒せなかったのに私たちが倒せるでしょうか?」


「そうですよね、倒すつもりではありますがだからと言って簡単ではないでしょう」




と2人は王様に現在のこの世界の状況を聞いた。


すると




「分からないとしか言えない、しかし我々もただ封印が解けるのを待ってたわけじゃない、魔王の対抗策を考えていた。そして勇者様が戦いやすい戦法や手練れを育てたのだ、だからこそ今君たちに期待をしているんだ、お願いだ! 魔王を倒してくれ! 可能性が低いのは分かっているがそれでもお願いだ!」




と言って王は自ら頭を下げてお願いした。


舞は




「王様、大丈夫です、倒せるか分からなくても我々はその覚悟の上で来ました、そして私たちも聖剣を抜きそして魔王を退治に向かいたいと思います!」




と言った。


啓示も




「僕も、自信があるかと言えば嘘になりますがそれでも出来ることをやりたいと思います」




と言った。


それを聞いて王は




「ありがとう! 本当にありがとう!」




と言って嬉しそうにした。


そして




「では案内する! 聖剣のある洞窟へ!」




と言って衛兵と共に洞窟へと入って行った。


そこには精霊がたくさんおり




「お待ちしておりました! 勇者様! 神様からは聞いております!」




と言って歓迎される。


それを見て




「へえ、綺麗ですね」


「ほほう、君も男だな」


「いえ、ピカピカしてイルミネーションみたいだなあと思っただけですよ」




と会話をしながら2人は進んだ。


するとそこには1本の剣があった。




「あれが聖剣か……」




と啓示はぼんやりとみていた。


すると




「啓示、君が抜いてくれるか? やはり私は自分の拳を使って戦いたい」




と言った。


それを聞いて啓示は




「でも舞も剣に慣れた方が良いのでは? 俺が死んだとき使えないと意味がないと思いますよ?」




と言った。


舞は




「確かのそうかもしれないが、そんなことを言うな、お前が倒すつもりで戦わないと強くなれんぞ? お前、転生する前に自分が弱かったから私に心配させてすまなかったって言ったじゃないか、私には拳があるが君はそういった鍛錬などはしたことがないだろ? なら君は聖剣を使って強くなるんだ! いいな!」




と言って舞は啓示に抜くように言った。




「信じらられねえ! 聖剣を誰が抜くかを決め合う奴らがいるなんて……」




と衛兵は身震いしていた。


そして




「では勇者様! どうぞ!」




と妖精に言われて啓示は




「では!」




と言って柄の部分を握り締めた。




「フン!!」




と力を入れると簡単に聖剣は抜けてそのまま後ろに




バタン!




と倒れた。




「や……やったああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




衛兵たちは大喜びした。


そして




「おお!! 抜くことが出来たのか!!」




とその報告を聞いて王も喜んだ。




「良かった! 本当に良かった!」




と嬉しそうにしていた。


すると舞は




「では王様! 私たちは準備が整い次第出発したいと思います!」




と言った。


それを聞いて王は




「良いのかい? そんなに早く出発してくれて……こちらとしては嬉しいのだが?」




と聞くと




「大丈夫ですよ! 猶予がないとのことで出来るだけの準備をしてから出発したいと思います!」




と言って宣言した。


それを聞いて




「そうか! それは良かった! ではこちらとしても色々と援助をするので待っててくれ!」




と言って王様は衛兵たちにお金と武具、防具、そして1人の仲間を連れて来た。


その子は女の子で髪がセミロングのブラウンで瞳は黒色の背の小さな女の子だ。


少し汚れかけで小さめのワンピースを着ていた。


そして、後ろには大きなリュックを背負っている。




「この者はアイテム使いの少女レイミ―だ、アイテムのことに詳しくて使い方のプロだ」


「へえ! そのような職業もあるんですね!」




と舞は目を輝かせながら言った。


するとレイミ―は




「レイミーです! よろしくお願いします! アイテムの効果を使って勇者様や他の皆さんの強化や回復! 相手の能力の低下など、そしてサポート攻撃などを行い協力させてもらいます!」




と元気よく言った。


それを聞いて




「よろしくね! レイミーちゃん! 僕は岡本 啓示です!」


「よろしくね! 北島 舞です!」




と自己紹介をして啓示と舞はレイミーに握手をした。




「よろしくお願いします! 勇者様!」




と言って笑顔で答えた。




舞は武道家の為か服は中に黒いTシャツのようなもので、外は袖の無い和服の様な服で腰に帯を撒いていた。


啓示は一般冒険者の服装で防具を一式揃えて身に着けたばかりと言わんばかりの服装だった。


こうして3人の旅が始まった。




地図を貰った3人は初めにビーストの国へと行った。


そこでリストアという女の子の獣人と出会った。


白色で少し長め髪を背中に垂らしており、頭に耳が生えている。


彼女は首輪の様な物を付けておりマントを肩から掛けて服はタンクトップと半パンで腰には子供用のベルトを着けていた。


彼女は明るく尻尾を揺らしながら甘えてくるが、獣人の中で天才と呼ばれる強さを誇っていた。


魔獣がそこを狙い襲い掛かるということを聞く。


そして、3人はその魔獣が魔王に使われた者だと知り討伐に向かう。


しかし、魔獣はなかなかの強さで苦戦していた。


そこをリストアが助けに入り毒の牙で噛まれて負傷、その怒りで啓示は聖剣の一部の能力を発動して対峙することが出来た。


本当は即死のスキルを使えば良かったと思ったがそれを使い過ぎるといざというときに対応が出来ないと思ったのが良くなかったのではと後悔しながらもリストアの看病をする。


だが、本来なら死ぬかもしれない毒であったがリストアは驚異的な回復力により復活した。


そして、即死スキルがあるにもかかわらず守ることが出来なくてすまないと謝るとリストアルはその考え方は悪くないから別にいいと言って許した。


しかし、その代りに自分も勇者の力になりたいと言って勇者一行の仲間になる。


次に訪れたのがエルフの森だ。


そこにはエルフの森を脅かすオークの群れが現れて荒らしているとのことだった。


戦士のリーダーである弓使いのレジリアは死んだ元戦士リーダーの娘であった。


髪は短髪で緑の服できっちりと肌は見えていなかったが胸が大きいのか少し隠しきれず、ボタンが上の方だけが外れて、襟は立っており、スカートは、動きやすくするためか膝ぐらいの高さしかなった。


だが、オークは魔王によって魔の力で強化されていてエルフには勝ち目がなかった。


それを知った勇者一行は戦いに参戦した。


強化されていた為かオークたちは強くスキルを使うこともあった。


しかし、自分の腕を磨くことも忘れずに極力避けて戦っていた。


その甲斐があったのか啓示の剣の腕が上がりつつあった。


そして、何とかオークの群れを退治してエルフの森を救うことが出来た。


そして、レジリアは3人に感謝をして自分もこんな事態を引き起こした魔王の退治について行きたいと言い勇者の一行の仲間に加わった。


そして、旅を続けているとバルベルドと呼ばれる剣の腕を磨いて旅をしている者が現れた。


その男は白いTシャツに上から足首まで伸びた青いコートの様な服を着てズボンはジーパンの服を着ていた。


そして、自分の腕を確かめたいということで勇者である啓示に勝負を挑んだ。


剣だけの戦いになりしかも聖剣を使うなということで戦ったがボロ負けした。


その勇者の腕を見て所詮聖剣の力に頼っていると言われて落ち込む啓示だったがバルベルドに剣の扱いを教えて欲しいと頼み込む。


バルベルドも人に教えることで自分でも理解しているかを確かめたいと言って教えてくれることになった。


その甲斐あって再びバルベルドに勝負を挑むと互角ぐらいの勝負が出来るようになった。


それを見てバルベルドもこれなら魔王も倒せるかもなと言って再び剣の腕を磨くたびに出る。


そして、啓示はバルベルドに感謝をして再び魔王退治のための旅を続ける。


次の国では格闘家の少年ランチェル・ベウザーに出逢う。


彼は、髪が逆立っており、啓示達がいた世界でいうところのチャイナ服の様な物を着ていた。


その青年は女に格闘なんて向いてないと見下したために舞の逆鱗に触れ2人で決闘することになった。


そして、2人は互角の勝負をしたて結局決着は着かなかった。


そして、その事実を知ったランチェルは舞に謝罪して和解した。


そして、自分の格闘家としての視野が狭かったことを自覚して一緒に魔王退治の旅を出てもっと広く世界を見たいと言う。


そして、次の国はドワーフの国であった。


そこで、ドワーフのダベダルドと呼ばれる斧使いに出逢う。


彼は鎧に包まれており顔だけが出ている状態であった。


そして、エルフのレジリアとは相性が悪いのか突っ掛っていた。


そんな時ドワーフの国に魔王の軍勢が押し寄せて来たのだった。


鍛冶が得意と言われているため武器を作るように強要してきたのであった。


ドワーフは対抗するがあまりの強さに成す術がなかった。


啓示達も加わろうとしたがドワーフに断られた。


おそらく、エルフのレジリアがいることとプライドの強さで断ったのであろう。


だがあまりにも圧倒的にドワーフたちが殺されるのを見て勇者一行は勝手に手伝うことにした。


レジリアも自分たちのエルフの森がオークに襲われるのを思い出して手伝ってしまった。


ダベダルドはそのことについて怒るかと思ったが感謝をしてレジリアにも謝罪をした。


そして、そのお礼として自分も魔王退治の旅をすると言って仲間に加わる。


そして、最後の国つまりは魔王城の近くにある国に行こうとした。


すると盗賊が現れて勇者一行の荷物を奪った。


そして、それを取り返すためにその盗賊を追いかけることになった。


その盗賊が魔族に襲われてボロボロになっていたが勇者一行が助け出して傷の手当てをして助けることが出来た。


そして、盗賊は謝罪をして名前はラベルと名乗った。


その男は上半身は着ておらず、薄汚れたズボンは足首まで長く、腰にベルトを掛けていた。


髪はオールバックで整えてあった。


ラベルは昔同じ盗賊だった親を同じ仲間だった者に殺されて1人になって親と同じく盗賊になったそうだった。


そして、その仲間は魔王の仲間になり勇者一行とラベルの命を狙ってきたのであった。


その仲間の盗賊たちを勇者一行はラベルと共に倒すことが出来た。


そして、ラベルはそれに対して感謝して自分も魔王退治を協力したいと言って仲間になる。


そして、ついに最後の国ランスレット国に着いた。




ここまでに2年間の月日が流れたのであった。




そこで王様である、ベクレール・ザ・ベレベアが勇者一行を着たことに喜び城へと招待した。


勇者一行は衛兵と共に城へと赴いた。




そして、王は




「よくぞ来たな! 勇者様一行よ! 会えてうれしく思う!」


「こちらこそ! 招待して頂き感謝します! 王様!」




と言って啓示はお辞儀する。


他の皆も同じくお辞儀をした。




「今日は疲れただろう! 魔王退治の前にゆっくりと休んでから万全な体制で挑むと良い!! おい! 勇者様たちをお部屋にご案内しろ!」




と言って従者たちが案内をした。




「こちらをお使いください、後に勇者様のお祝いの祭りを行いたいと思います」




と言って従者は去っていった。


そして




「いやあ! こんな素晴らしい部屋で食ったり寝たり出来るなんて! 嬉しいね!」




と言ってダベダルドは鎧を脱いで鎖帷子の上からでもわかるぐらいの太った体を揺らしながら




ドスン!




と椅子に座る。


そして、頭の鎧も脱ぐと頭はボーボーに伸び放題であった。




「ちょっと、もうちょっと行儀よくしなさいよ、どうしてドワーフはいつも荒々しいの?」




と言ってレジリアが呆れるように言った。


するとリストアが




「リストアも座りたあああい!!」




と言ってダベダルドの上に




ドスン!




と座ってダベダルドの脂肪が揺れる。




「う!! お前! 俺の上に乗るなよ!」


「えへへ! 間違えちゃった!」




と言ってペロッと舌を出してウインクした。




「全く、お前は……」




と言って呆れるダベダルド。


レジリアは




「ダメよ、リストア? そんな男の上に乗ると臭くなるわよ?」


「ええ! 臭くないよおお!」


「おーよしよし、リストアはいい子だな」




と言ってダベダルドは頭を撫でた。


と同時にリストアの耳のもふもふを味わった。




「えへへへ! 褒められた」




と言って照れるリストア


レイミーは




「でもダベダルドの体ってベッドみたいだよね! ふかふかだもん!」




と言って笑う。


するとランチェルは




「ダベダルド、お前椅子壊すなよ、弁償とか出来ないからな、もし壊して弁償になったらお前は魔王退治行かせないからな」




と言って笑った。


ダベダルドは




「何言ってんだ!! 俺がいないで倒せるのか!」




と聞くと


レジリアは




「お前がいなくても啓示と舞がいれば大丈夫だ」




と笑いながら言った。


それを聞いて啓示は




「いやいや、そんなことないよ、皆がいないとここまで来れなかったし」




と言って笑っていた。


舞も




「そうだな、1人では出来ないことも皆で協力すれば魔王だって退治出来るかもと言われてる状態だ」




と言った。


それを聞いて




「お、おう」


「そうだな、ありがとう」




と言ってランチェルとレジリアは照れた。




「まあ、盗賊の俺が何できるか知らないけど頑張るぜ」




と言ってラベルが寛ぎながら言った。


すると




「失礼します」




と言って1人の女性が入ってきた。


その女性は綺麗な透き通るような碧い髪で聖女の様な服装で杖を持っていた。




「お初にお目にかかります、勇者様、私はこの国の姫のシャーレ―・ザ・ベレベアと申します、勇者様のパーティーに入れてもらいたいと思い赴きました」




と言って現れた。


それを聞いて啓示は




「えっと……シャーレ―さんでしたっけ? お姫様なのに僕たちのパーティーに入るって……大丈夫なの?」




と聞いた。


すると




「はい、私自身お父様に頼んで入りたいと言ったら勇者様たちが良いのでしたらと許可をもらいました、見れば勇者様は魔法を使えるものがいないと思いまして……」




と言って席に着いた。


それを聞いてレジリアは




「確かに、魔法を使わなくてもアイテム使いのレイミーがいたから回復や魔法付与の巻物で何とかなっていたが、魔法使いはいた方が良いかもしれないな」


「ああ、マジックポイントがある限り魔法を使えるし、しかもアイテムでマジックポイントの回復も出来る、そして魔法は火力もあるから必要になるかもしれないな」




と言ってダベダルドも珍しくレジリアと同意見だった。


舞は




「まあ、確かに王に許可を得ているんだったら仲間に加えるのもいいかもしれないが一応君のお父様にも確認を取って良いですか?」




と言った。




「ええ、構いませんよ!」




と言って舞は




「それではパーティーの時に確認を取るよ」




と言って笑顔でシャーレ―と握手した。




そして、パーティーが始まり




舞は早速王に確認を取った。




「ああ、大丈夫だよ、勇者舞よ、私の娘の魔法の才能は本物だ、どうか協力させてくれないか? 私も覚悟の上だ」




と言って険しい顔になった。


それを見て舞は




(やはり実の父親として娘が心配なんだろう、だがそれを理由に断るのも失礼だな)




と考えて




「分かりました、皆で必ず魔王を倒します」




と言って




「ありがとう! よろしく頼むよ! ではパーティーの続きを楽しんでくれ!」




と言って舞もパーティーに戻った。




「うおおおおおおおおおおおおお!! 酒がうまいなあああああああああああああああああああ!!」




と言ってダベダルドはがぶがぶ飲んでいた。


それを見てレジリアは




「全く、汚い飲み方……」




と言って呆れていた。


舞が戻るとランチェルが舞の元に現れて




「舞、ちょっといいかな?」




と言った。


舞は




「……ああ」




と言って顔を赤らめていた。


ランチェルは人気のないところに舞を呼んで




「すまない、パーティーなのにこんなところに呼んで……」




と言ってランチェル自身も顔を赤くしていた。


舞は




「かっ構わない……」




と緊張していた。


2人は旅を重ねるごとに武術の訓練も一緒に行うことで2人の距離が近くなっていた。


そして、お互いを異性として気にし始めたのであった。


そして、ランチェルは




「この戦いが終わったら俺と結婚してくれないか?」




と告白した。


それを聞いた舞は




「ぷ! はははははは!!」




と笑った。


それを見てランチェルは




「な! 何も笑うことないだろ!」




と怒ったが舞は




「いや、すまない、でもそれ私の世界では死亡フラグと言って死にやすくなると言われてるんだよ……だからそんなベタなことをされるとは思わなくってな……」




と言った。


それを聞いてランチェルは




「そっそうなのか!!」




とびっくりした。


そして、舞は震えながら




「すまない、少し不安なんだ、誰も死なずに魔王を倒せるのかどうかが不安でな」




と言っていた。


ランチェルは




「死なないさ! 絶対に! 大丈夫だ!! 俺たちならいける! だから!」




と言って肩を掴んだ。


すると舞は




「そうだな、答えは魔王を倒してから答えるとするよ」




と言ってはぐらかした。


ランチェルは




「おいおい! それはないだろ!」




と言ったが




「これで、もしかしたら死亡フラグは和らいだかもしれないぞ?」




と言われて




「う! 仕方ない、その答えを聞くため俺は生き残るしかないな!」




と再び死亡フラグを言ってしまう。


舞も




「そうだな……生き残ろう!」




と言って2人は抱きしめ合った。


そしてパーティーに戻る。




「お――――い! どうしたんだよ! 2人共!」




とラベルが言うと




「ああ! 大丈夫だ!! 今日は楽しもう!」




そう言って2人もパーティーに混ざった。


だが啓示はぼんやりと空を眺めていた。


するとシャーレ―が




「どうかしましたか? 勇者様?」


「いや、長かったなあと思って……ここまで来るのに2年は掛かるなんて……」




と思い出しながら食べ物を食べる。


シャーレ―は笑顔で




「魔王退治はもう少し準備をしてからですし、今日は楽しんでください、疲れを癒してくださいね」




と笑顔で言った。


啓示は




「ああ、ありがとう」




と言ってパーティーに戻る。




そして、皆は楽しそうに料理や酒を楽しんだ。


そんな中、ある集団がその様子を覗いていた。




「ようやく来たか……全く悠長なものだな……勇者御一行様は……我々ならばお前らがここに来るまでに魔王を何百回も暗殺出来たぞ……だが、そのおかげで情報は集まった、待ち望んでいたぞ……」


「全くだよ、早く絶望とした顔をコレクションしたくて興奮が収まらないよ!」


「フフフ、本当に楽しそうね、その表情が苦しみに代わる姿を早く見たいわ」


「お前ら、これは魔王暗殺の仕事を奪い返す任務だぞ……もうちょっと緊張感を持て」


「そうだそうだ、この変趣味に片口縫い目女!」


「ああん!!」


「それどういうことよ! 人の特徴をバカにするなんて!!」


「何!!」


「喧嘩しちゃダメ……仲間割れしても無駄な時間……」


「その通りだ……我々はあの勇者を暗殺すること、それが我々暗殺アサシン達のするべき任務だ、そして必ずや仕事を奪い返して誇りも取り戻す、それは決定事項だ」




と1人が皆に言った。


それを聞いて他の者たちは




「そうだね、今回はそれが目的だね……でもおお! 殺したらコレクションぐらいはいいでしょ?」


「ああ、ちゃんと暗殺したらな」


「やった!」


「あなたはいい子よ、私も頑張るわ!」


「今回は金にならんがこれが終わればわんさか金が入る……」


「うん! そうだね! 心躍るよ!」


「楽しみ……」


「お前ら、喜ぶのは暗殺後だと言ってるだろ? ちゃんと殺れよ……」




と言って再び集団は勇者を見ていた。




「お前らが今宿命だと思っている事はもともと我々が受けた依頼だ……それを知らないとはいえ奪ったことは事実だ……後悔させてやる……その命を持ってな」




とある集団は闇夜に消えて言った。


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