優しすぎる誰かへ
どうか、苦しまないでください。
貴方が思っている以上に、他人は我儘です。
現在という結果が、まるでこれから挽回できるのだと嘯き、これまでの怠惰と快楽を取り戻そうと、本来受けるべき結末を貴方に押し付けているだけなのです。
そんなものからは逃げなさい。
どうか、願わないでください。
貴方が思っている以上に、優しさは活発ではありません。
世の中には心底、言葉として出ていないのなら本当に困っていないのだろうと考える者たちで溢れかえっているのです。優しさも怒りも、どちらも後出しジャンケンであるということを知らない者たちばかり。
願わず、逃げなさい。
どうか、縛られないでください。
生きるという事も、死ぬという事も、決まった形はありません。どんな生き方も、どんな死に方も自由です。好きに生き、好きに死になさい。何の感動も無いままに続く地獄の縁で流す涙ほど、乾いたものはありません。
どうか、どうか。
縛られないでください。
あたかも辛い怖いと語られる地獄を語るのは、所詮は百年も満たない者たちの語り草。
世界の100分の1も見ていない夢物語なのです。
恐れる事は、きっとありません。
いずれ私も、向こう側で会えるでしょう。大事なのは、その時に私に、貴方の自慢話が1つでも聞かせることが出来るのか。
それだけです。
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