国境社会
個人の価値が上がるという事はどういうことか。
それは、パーソナルエリアの拡大に他ならない。
これを国に例えるならば、領地の拡大と言えるだろう。
これまで、人の国境というのは不鮮明だった。
友情、愛情といった、伝わるべき言語が、伝わるべき範囲だけを限定として適用され、それ以外を個人の精神へと帰結させるという見えない帰結を強要してきた。
しかし、今は違う。
友情も愛情も、あるいは敵意や害意というものが、伝わるべき範囲を超えている。第三者が、他者の人間性から導き出されたエビデンスを閲覧できるようになってしまった。国境が、親しみという基準を飛び越えて明確になったのだ。
持て余された親しみは、炭素を圧縮したダイアモンドのように価値を上昇させ、と同時に、羞恥を招いた。
人は、恥には弱い生き物だ。
恥よりも、人は拒絶を選ぶのだろう。
それが正しい社会なのかは、後世が導くべき問題である。
言いたいのは唯一つ。
貴方は国境を前にして、何を選ぶ? 外に出て、考えてみるのもいいだろう。
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