王女である私にそんな扱いしてもいいと思うの!!

一ノ瀬 彩音

第1話 愛している人へ

私はテスラ・ロザンヌと言います。


私には愛している人がいて、愛している人にチョコを差し上げようと思います。


このチョコは私が一生懸命に作って完成させた物です。


それにチョコの中には私の愛が沢山あるのも事実です。


私の愛している人は王子イルム・ガラフです。


私と王子の年齢は同じ22歳なのですけど、私より王子の方がしっかりとしてて

私はすごいなって思います。


それでも王子であるイルムは私の事を見捨てる事はございません。


そんな私は王子イルムが居る所へ向かっているのです。


このお時間でしたら、王子はきっとお部屋に居ると思います。


王子イルムが居るお部屋の前に到着するとドアが開いてて、私はこっそりと

覗いて見ると私は衝撃が走ります。


「どうして、そんなっ」


王子イルムは王妃とイチャイチャしているのでした。


私と愛しているはずでしたのに、どうしてこんな事になっているの。


私が愛を込めたチョコを渡そうとしたのに、本当にショックで立ち直れません。


「王子イルム、貴方は私の事を裏切りましたねっ!」


私はイライラしてて腹が立ってくるとチョコを作り直す事に致します。


急いで調理場に向かって私はチョコを作り直すのでした。


チョコを作り直すして完成させるとそのチョコを持って王子イルムの所へ行きます。


王子イルムが居るお部屋にドアをノックもせずにいきなり中へ入るのです。


しかし、そこには王妃の姿がありませんでした。


「王女テスラ、いきなり入って来るなんて失礼だろっ」


「失礼なのは王子イルムじゃない」


「何処が失礼なんだよ」


「私と愛し合っているのに、王妃とイチャイチャしちゃってさ」


「俺が誰とイチャイチャしようが勝手だろっ」


「そういう事を言うのね」


「言うさ」


「これでも食べなさいっ!?」


私は王子イルムにチョコを差し上げるのです。


「これはチョコか?」


「チョコよ、差し上げます」


「あ、ありがとうな」


「王子イルムは甘い物が大好きでしょ、早く食べて下さい」


「遠慮なく頂くよ」


王子イルムは私が差し上げたチョコを食べているのですけど、

チョコの中には毒が入ってて殺せます。


私の事を裏切った罰です。


せいぜい苦しんで命乞いをすればいいのよ。


「美味しいじゃないか」


「そう言ってくれてありがとう」


「本当に美味しいな」


「うん」


王子イルムは何ともないように平気でチョコをどんどん食べているのですけど、

特に変わった様子がございません。


私は心の中でどうして何も起きないのって感じますけど、

不思議に思っているのです。


私は王子に直接聞こうと思います。


「王子イルム、なんともないの?」


「ぜんぜんなんともないぞ」


「そ、そうなんだ」


私は王子を苦しめると思ったのに、かなりショックを受けているのです。


このままでは王子暗殺が出来ません。


私の事を裏切るのならせめて愛している私の手で殺してあげると

思ったのですけど、失敗に終わりそうです。


しかし、その時。


「苦しい、助けてくれ」


「あはははっ、いい気味ね、王子イルム」


「何をしたんだ、王女テスラ」


「毒よ」


「毒だって」


「苦しいでしょ、命乞いでもしたら?」


「愛している人に殺されるのなら本望だ」


「えっ?」


私は王子イルムが命乞いするかなと思っていたのですけど、

そんな事はしてきません。


私は戸惑っていると助けないといけないという感情になります。


「王子イルム、助けるね」


私は急いで王子イルムを助けるために王妃に相談するのでした。


その後、王子イルムは命は助かるものの、私は王様と王妃から

お叱りを受けてお部屋でじっとしてなさいと言われるのです。


私のした事は間違っているのでしょうか。


私は間違った事はしていません。


王子イルムが私の事を裏切るのが悪いのです。


私はそんな事ばかりを考えているのですけど、本当にどうしようもない

王女です。


その時です。


ドアがノックされると私はドアの傍まで行ってドアを開けるとそこには

王妃が立っているのでした。


「どうしたの? 王妃」


「お話がございます」


「はい」


私は王妃をお部屋の中へ招き入れるとドアを閉めて

王妃と立ち話を始めるのです。


「まず王子イルムは私とイチャイチャなんてしていません」


「そうなのですか?」


「はい」


「私に相談してきたのですよ」


「そうだったのね」


「王女テスラの喜ぶ事を教えて欲しいって」


「そんなっ」


「すべては王女テスラの思い込みです」


「ごめんなさい、ごめんなさい」


「謝る相手が違うでしょ」


「はい」


私はお部屋を飛び出すと王子イルムが居るお部屋に走って向かいます。


王子イルムが居るお部屋に行くとそこには兵士が立っていて

私はどうしようかなって考えているのです。


しかし、そんな事は出来ずにいる私は王子イルムのお部屋に行きます。


「王女テスラ、ここは通さんぞ」


「通して、通してよ、王子イルムに用があるの!?」


「通すわけにはいかない、王様の命だからな」


「何でよ、私は王子イルムの事を愛しているのよっ!?」


「王女テスラは王子の事を苦しめたんだ、そんな者を中へ

入れるわけにはいかない」


「どうしてなのっ!? 私は王子の事を愛しているの!?」


そうしていると後ろから声が聞こえてくるのです。


「通してあげて下さい」


その声の正体は王妃でした。


「王妃、しかし、王様の命は」


「いいから通してあげなさい」


「わかりました、どうなっても知りませんよ」


兵士は退いて王女テスラはお部屋の中へ入ります。


王子イルムはすっかりと元気になってて安心している王女テスラでした。


「王子イルム、本当にごめんなさい」


私は王子イルムに謝罪するのです。


王子イルムはこう言います。


「気にするな、俺も誤解を招く事をしたからな、お互い様だ」


「でも、私は王子の事を」


「そんなに自分を責めるな」


「は、はい」


「それに俺は今もこれからも王女テスラしか愛さないよ」


「王子イルム」


私は王子イルムの傍まで行くと王子イルムの唇にキスするのです。


私がキスすると王子イルムも私の唇にキスしてくれるのでした。


私と王子イルムはキスし合っていると本当に愛し合っているという

認識が改めてわかる私でした。


王子イルムの事をもっともっと愛しする事を心の中で誓います。


「王子イルム、本当に愛しています」


「俺も愛しているよ、王女ステラ」


私と王子イルムは抱きしめながら、お互いにキスするのでした。

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王女である私にそんな扱いしてもいいと思うの!! 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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