第4話「初めての教室」-4
「牧田くんは、中学部2年の男子生徒です。同じクラスだから仲良くしてあげてくださいね」
と、大山先生はにこやかな声で言った。
「え、中学部2年にも、生徒が居るんですか?」
俺は思わず声を挙げていた。
「いちゃいけねえのかよ」
そんな俺の問いに、すかさず光浦和希が言う。
まったく、人をいらっとさせるような言い方をしてくるやつだなあ。
てかそもそも…。
「おい、中学部2年と3年には生徒が居ないって言ったのおまえだろ?」
俺は声を潜めて光浦和希に言った。
「はー?何言ってんだよ。俺はさっき、中学部2年と3年には担任の先生は居ないよって言ったんだよ」
(あー!)
光浦和希に言われて、俺ははっとした。
そうだった、確か俺が光浦和希にあの質問をしたのは、入学式での担任紹介の時だったような気がする。
言葉の意味をはき違えていたのは俺の方だったのかもしれない。
「そうか、そういうことか」
とりあえず納得したような返事をしておいたが、それでもまだ引っかかることがある。
「明憲くん?明憲くんも一緒?」
そんな俺の隣で、姫野さんが喜びを抑えきれないと言う風に言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます