第322話 参戦の狼煙です!!
遥か下。
そこに見えるのは強固な超大規模結界を展開して防衛する統一神界勢力と、それを攻め落とそうと攻撃を仕掛けるヴィスデロビアの勢力。
結界の中から神々も反撃に打って出ている様ですが、一見するとヴィスデロビア勢力による一方的な攻勢。
しかし、ヴィスデロビアの配下が結界を破り侵入を果たすと、結界内で待ち受けていた神々が滅して瞬時に結界を補完する。
相対的にみればまさに一進一退の攻防戦ですね。
まぁどちらもまだ主力が出てないですし、双方まだ小手調べ程度のものでしょう。
「しかしこれは……」
想像以上ですね。
ヴィスデロビアの軍勢が、思っていたよりもレベルが高い。
数も申し分ない事に加えて、後方にて優雅にお茶をしている者達が強い……まぁ、それでも負けるつもりは毛程もありませんけど。
僕達ナイトメアは、既にヴィスデロビアによる襲撃を受けた1週間前とは別モノなのです!
戦闘が行われている統一神界の遥か上空。
アヴァリスが特殊な結界を展開し、ヴィスデロビアですら感知不可能なこの場所で僕の背後に付き従う五大軍団。
今回の戦争に当たって、軍団設立時にコレールによって課せられた入団条件はレベル1000以上。
士官クラスの隊長格は全員がレベル1500超え!
リーリスの眷属であったハスルートがレベル1800台だった事を考えると敵の主力とも十分に渡り合える軍団ですっ!!
まぁ、ここに五大軍団が全ているのは、ナイトメアが参戦して宣戦布告する瞬間まで。
それが終われば第一軍団、第四軍団はアニクスでの防衛。
第二軍団は第三軍団と第五軍団は統一神界に、そして第二軍団は双方の後方支援に回る訳ですけど。
「お嬢様、ネルヴィア様との連携が完了しました」
「分かりました。
それで、ネルヴィア様は何と?」
「はい、存分にやれ、と」
存分にやれ……ですか。
名前:ルーミエル
性別:女
種族:幼女神
年齢:???
レベル:11140
・神能
「殲滅ノ神」「創世ノ神」「魔道ノ王」「神獣ノ王」
魔教団との戦いに、統一神界での経験。
地球でのゼサータレンとの一戦、そしてこの1週間で行ったコレール達との修行。
今やレベル1万超えの僕に存分にやれと……ふっ、ふふふ……
「ふっふっふ! 良いでしょう!!
この一撃を持ってしてヴィスデロビア軍の雑兵を薙ぎ払い、ナイトメアの宣戦布告としてやりますっ!!」
リーリスの話によるとゼサータレン達、四魔皇の平均レベルはおよそ8000前後。
レベルが高ければ強いと言う訳でもありませんが、おおよその基準にはなりますからね……これで雑魚は一掃できるでしょう。
「これはナイトメアの統一神界デビュー戦。
ナイトメアの名を神々の間に轟かせる為にも宣戦布告は派手じゃないとですね……」
そうなると、滅光魔法はよろしくない。
何せ音すら無く消滅させる魔法ですからね。
直接見たならまだしも、話を聞くだけでは大したインパクトは無いでしょう。
かと言って星天魔法では発動から着弾までの時間があるし、恐らくヴィスデロビアが防ぐなりしてしまうでしょう。
目立ち、尚且つ分かっても回避不可能な攻撃となると……アレで行きましょうか。
「神能〝殲滅ノ神、魔導ノ王〟」
さぁ、参戦の狼煙です!! 派手に行きましょうっ!!
「神の雷鳴に滅されろ……〝
翼を広げ、腕を下で戦っている敵に向けて一気に振り下ろす。
……その瞬間、眩い閃光が凄まじい衝撃波を持って降り注ぎ、耳をつんざく轟音が統一神界に響き渡った。
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