第305話 再現してやりますっ!!

「おぉ……我ながら凄まじい光景ですね……」


 ゼサータレンに破壊された二つを省き、少しの間隔を開けて落下した巨大隕石。

 衝突寸前で音声も遮断して、三重に滅光結界を展開したお陰で多少の揺れ程度でこっち側の被害は皆無と言えますが……


「世界の終わりって感じがします」


 結界の範囲に沿ってピッタリと消失した地面。

 入学式の時とかも思いましたけど、こう言う大穴を見ると終末感が凄い。


「と言うか、これは……」


 今回グラン・シャリオはリーリスの時のやつよりも強化されてますし。

 なりより統一神界やアニクスは勿論。

 幻夢世界で感化されたリーリス戦の時と比べて、遥かに適当に造っただけの手抜き世界。


「マズイですね。

 世界そのものが崩壊しそうです」


 言うなれば、ボールを七つ集める漫画で宇宙の帝王様が戦いの最中に星を吹き飛ばそうとした結果の状況ですね。

 十分耐え切れると思っていましたけど……流石に適当に作り過ぎましたか……


「よくも……やって、くれたなぁ……小娘ぇっ!!」


 ゼサータレン、生きていたのかっ!? って、まぁ分かってましたけど。


「結構ズタボロですね。

 大丈夫ですか?」


 せっかく復元したご自慢のスーツは再びボロボロ。

 至る所から血を流してますし、また腕が消し飛んでますね、しかも両方。

 腕に関してはさっき滅弾で消し飛ばされて復元したばかりなのに……ちょっとだけ不憫ですね。


 けど、アレですね。

 ズタボロ状態になるなら下半身が消し飛んでいたら良かったのに。

 リアル、フ◯ーザ様……見たかったです……


「っ! この程度で頭に乗るなよ。

 クックック……シングル以外の連中に見せるのは屈辱ですが。

 光栄に思え、お前にはこの私の全力を見せて差し上げましょう!!」


 う〜ん、まぁリアル、フ◯ーザ様を見れなかったのは残念ですが。

 僕はそれ見たさに他人を両断する程外道な狂人じゃありませんし、仕方ありませんね。


「クハッハッハッ!! この私の真の力を前に声も出ませんか?」


 んん? 煩いですね。

 フ◯ーザ様チャンスを逃した事を少しは静かに嘆かせて欲しいものです!


「こ、これは……」


「さぁ震えろ、恐怖しろ、跪け!

 泣き叫んで醜い容貌で命を乞うがいいっ!!」


 地面が、空が、大気が。

 世界が恐怖している様に震えています!


「ゼサータレン、悪いですけど時間切れです!」


「何だと?」


 本当に何でこんな事になるんですか!

 リーリスの時は周りに被害を出し過ぎたせいで終わりを急がなくちゃダメになりましたし。

 今回は周りへの被害を抑えたのに、世界そのものが限界とか……そんなの想定外ですよっ!!


「もう世界が保ちません! 皆んな、急いで避難して下さい!!」


 この世界を根幹から震わす様な揺れ。

 もう数分も保ちませんね、これは。


「何を言っているのですか? お前は……」


「それに答えている時間も無ければ、必要もありません。

 リーリスの時は不完全燃焼だったから今回は最後までやり合いたかったですけど……仕方ありませんね」


 どうせこのこの戦いでしか使わないからと手抜きをした僕の責任です。

 まさに因果応報とはこの事ですね。

 これじゃあ、リーリスの時と全く同じです……むぅ〜、こうなったらリーリス戦を再現してやりますっ!!


「せいぜい、頑張って生き残って下さい。

 神能〝殲滅ノ神・世界の終焉ワールド・ノヴァ〟」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る