第270話 余興を開催します!!
「で、では、この方々は全員がダブルの神々に匹敵する程の力を持ち、全員がルーミエルさんの眷属。
そしてルーミエルさんの実力もそれに準じる程と言う事でしょうか?」
「うむ、そう言う事じゃ」
しっかりとネルヴィア様はアイリースさんに色々と説明してくれてる様ですね。
僕達の説明を全てネルヴィア様に丸投げしちゃいましたけど……
ネルヴィア様も嬉々として説明してましたし、別に構わないでしょう。
一番の懸念材料も無事に消化できた事ですし、僕は本命の強敵に専念するとしましょうかっ!
「むぅ、これ程までに凄まじい誘惑……くっ、なんて美味しそうなエッグタルトなんでしょうかっ!?」
目の前には切り分けられたチーズケーキがあると言うのに、ついつい目移りしてしまう。
「ん、エル、あ〜ん」
チョ、チョコレートケーキっ!!
「お嬢様、こちらのショートケーキはいかがですか?」
フェルだけで無く、メルヴィーまでも!?
チーズケーキにエッグタルト、チョコレートケーキにショートケーキ……一体どれを選んだら……
「ルーミエル様、フルーツケーキもございますよ」
「ふふふ、ルーミエルお嬢様、モンブランもいかがですか?」
フルーツケーキにモンブランまでっ!
予想はしていましたが、やはりオルグイユとアヴァリスも参戦して来ましたか……
僕が選んだレアチーズケーキに、食べてくれと訴えて来るエッグタルト。
フェルの推薦するチョコレートケーキ。
メルヴィーが推薦するショートケーキ。
オルグイユ推薦のフルーツケーキ。
そしてアヴァリスが推薦するモンブラン。
最初に手を付けると、それが一番だと勝利を認めた事になってしまう。
どれもこんなにも美味しそうなスイーツに優劣を付けるなんて……そんな事ができる人が一体何処にいると言うのかっ!?
しかし、どれを食べるにしても、最初に食べれば優劣がついてしまう。
けれど、そうしなければ食べる事が叶わない……なんて酷な現実でしょうか。
「い、一体どうすれば!?」
くっ、ここまで追い詰められるなんて。
やはり、美食と言うのは睡魔に並ぶ強大な敵であると言う事ですか……
「こうなったら仕方ありません! 最終手段ですっ!!」
その瞬間、スイーツを手に持つ皆んなに緊張が走る。
全員が全員を視線で牽制し合い、言い知れ無い沈黙が舞い降りる。
「エッグタルト代表は……コレールお願いします」
「かしこまりました」
「では、行きますよ……」
こう言った場合に使われる最終手段、それは……
「「「「「じゃんけん!」」」」」
じゃんけんは動体視力と反射神経がモノを言う、完全な実力勝負。
これで決められるのは、僕達のじゃんけんの力量であって、スイーツの優劣は関係ない!
スイーツ達の優劣を決する事なく、スイーツを食べられる完璧な手段ですっ!
「むふふ、最初はエッグタルトですか。
先鋒として十分な強敵……ん、美味しいっ!」
この後にまだ、5戦も控えているのに……負けません!
ふっふっふ! この僕が、全てのスイーツを喰らい尽くしてやりましょうっ!!
「本当にルーミエルさんがそれ程までの実力を?」
「う、うむ、説得力は全くないが事実じゃ」
なんて失礼な会話でしょうか!
神能も持っていて、能力的に言えばトリプルの神に引けを取らないハズなのに。
「むぅ、アイリースさん信じてませんね?」
「ルーミエルさんが私とは比べ物にならない程強い事は分かっています。
ですが、ルーミエルさんと言えど流石にナンバーズに及ぶとはとても……
しかも眷属である皆さんも全員がダブルやシングルに匹敵すると言われても」
まぁ、アイリースさんの気持ちも分かります。
入試でちょっと本気を見せたので、あの光景に凄いとは思っても。
ぶっちゃけアレがどれ程のモノかは分からないでしょう。
「そこで、今回の余興です!
安全な余興で楽しく、正確に僕達の実力を証明しましょう!」
おや、おかしいですね。
ニッコリ微笑んだはずなのに、何故かフォルクレスが頬を痙攣らせています。
「超越者以外は自由参加で、超越者は絶対参加です!
では余興……叩いて被ってジャンケンポン・トーナメントを開催しますっ!!」
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