ロードキル〜完〜(動物の子供side)

※多少、残酷表現あり



僕はぴたりと足を止める

鼻をひくひくさせて匂いをもう一度嗅ぐ


お母さんの匂いとは別の  

何だか嫌な臭いが混ざっている


僕は空腹も忘れ駆ける

訳の分からない不安を抱えながら


黒く硬い道の真ん中にお母さんがいた

僕はお母さんの顔を覗いて何度も呼ぶ


“お母さん” 目が開いてるのに僕を見ていない

“お母さん” 体に赤い血が付いてる

“お母さん” 口が開いてるのに答えてくれない


僕は突然、誰かに捕まれ投げられた

草原に打ち付けられ痛くて中々起き上がれない


僕の横にお母さんもどさりっと投げられた

お母さんは何も反応が無く動かない


目だけを動かして見ると

目の前には僕等よりも大きな生き物?がいた


いつかお母さんが言っていた人間という生き物の話

近付いちゃいけない怖い生き物


何か言っているけど分からなかった、暫くすると

大きな音がして嫌な臭いの煙を撒いて居なくなった


晴れ晴れとしたお天気だったのにお母さんは冷たい

僕は冷たいお母さんに寄り添い眠る 


ごめんね、お母さん、、、ご飯なんていらないから

ずっと一緒にいてね

















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