第111話:その頃彩乃は (上)
最初の予定としては中庭のベンチでひーくんと合流し強制的に膝枕をさせた後、ワザと不機嫌なフリをしてまた一つ彼を私色に染めてからこの二日間ずっと我慢していた自分の気持ちを恋人同士のスキンシップで~♡
とか
今日は外だからお互いあんまり大胆なことはできないだろうけど、いつものお外デーとは違って夜の学校なら誰かに見られる可能性は限りなく低いだろうから少しくらいならいいよね?
とかとかこの短い時間の間でとはいえ色々考えて、一人で妄想して、すっごい楽しみにしていたというのに……結果は邪魔者三人のせいでぜーんぶ台無し。
(まあひーくんは菱沼達に気付かなかったみたいで今もこうやって私に甘えてくれているし、元々今日は仕返しの意味も込めて意地悪をした後にいっぱい甘やかしてあげる予定だったからいいっちゃいい…わけないじゃん! あいつ等の馬鹿‼)
(んーーーぅ‼ もう場所がとかどうでもいいからひーくんと大人イチャイチャしたい! ひーくんにいっぱい甘えて、い~っぱい甘やかされたい‼)
なんて一人心の中で駄々をこね始めるとともに
『本当に彼のことが好きなのならちゃんと自分がやったことに対するフォローをしてからにしなきゃ駄目だ』
という自分ルール (ひーくん専用)の一つを頭の中で数回唱え、甘えたい欲を最大限まで封じ込めてから
「はい、おしまい。もう目を開けていいよ」
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