第109話:GW合宿二日目 (中) (彩乃視点-Ⅰ)

頭の中では『せめてここまでは怒ったフリをしていたい』と考えていたものの、結局ひーくんの可愛さに負けてしまった私は


『はぁ、ちょっとメガネ外すからね』


という少し冷たい言葉に対し真逆の顔をしながらそれを外してあげた後、自分の化粧ポーチから化粧水を出しそのまま彼の家にお泊りする時同様私がそれを塗ってあげようと思ったのだが……


(ひーく~ん。今の私の前でさっきまで親に怒られてたけど許してもらえてほっとしている子供みたいな顔をしちゃ駄目だよ~)


そんな意地悪をしたい欲が再び湧き上がってきた私は『なにもう許してもらえたみたいな顔をしてるのさ?』と言わんばかりの顔と声で


「ほら、私のやつを貸してあげるから早く塗りな」


そう言うと彼はこちらの態度が180度変わったの受け若干泣きそうな目でこっちを見つけめてきたあと、己の気持ちを悟られないよう誤魔化すためか小声で『………はい』と返事をしながらゆっくりと上半身を起こし始めた。


そのため私はひーくんの両肩を上から優しく押して膝枕状態になるよう促し、お互いの態勢が一番最初のものへと戻り数秒程真顔で見つめ合ってから


「うーそ♡」

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