第108話:その頃彩乃は (上)

彼からのL○NEに免じてお小言を言うのだけは止めてあげることにしたものの昨日今日とほったらかしにされたことに対しての怒りが3割、これを機にまた一つひーくんを私色に染めちゃおうが7割の状態で合流した私はワザと不機嫌なフリをして膝枕されるよう促し、そのままお互いの目と目が合うよう自分の顔を下に向けると


(菱沼と真剣な顔をして試合をしているひーくんの姿を、他の男子達と一緒に馬鹿やってるひーくんの姿を少し離れたところから見てるのもそれはそれで好きだけど……やっぱり彼女としてはこうやって間近でひーくんの色んな姿や表情を見てる方が好きかな)


という当たり前のようで初めて気づいた自分の気持ちだったり


(でもちょっと離れたところにいるからこそ見られる彼のそれがあることを考えると……う~ん、でもでもひーくんにはできるだけ私の近くにいてほしいし、できるだけ近くにいたいの‼)


という女心全開の面倒くさい我が儘を心の中でとはいえ言ってみたり。


その他にも今回の件を通し、そしてまだ数分しか経っていないとはいえ再びこうして二人っきりでいられる時間を過ごすことで様々な気持ちや我が儘が溢れ出してきたとともに、兎に角今はこの二日間ずっと我慢していた気持ちをひーくんにぶつけたくて仕方のない私はそっと自分の手を彼の両頬へと移動させ


(………………)

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