第81話:魔王城の攻略はまだ早かった
先に店の前に着いた彩乃が手を振りながら早くしろと言ってきたので俺達は早歩き気味に二人と合流すると何故か自分の腕に抱き着いてきたり、若干緊張しながら注文したりと色々あったものの無事注文を済ませそれを受け取ることができた。
ちなみにカップに絵を書いてもらうことはできなかったものの、メッセージっぽいも
のは書いてもらえたので今回はそれで満足である。
ということで内心ちょっとウッキウキな俺は他の三人が何を描かれたのか聞いてみると、まずは自分の隣に座っている彩乃が
「私のにはかわいいウサギの絵と『これからも仲よくね♪』って書いてあったよ、ほら」
「私は彩乃ちゃんと同じ女の店員さんだったけど猫の絵と『部活頑張って!』だった」
「俺は普通に『Thank You』だけだったけど、一之瀬はなにを書かれてたんだ? 確かお前も俺と同じ男の店員だったよな」
なんてことを言いながら健太が勝手に人のカップをくるっと回転させてから一言
「『CRF』キ○ラメルフラペチーノの略だけだな」
「………今日初めてス○バに来たけどもう二度と行かない」
「待て待て待て、多分店の外でお前が佐々木といちゃついてるのを見てあの店員が嫉妬しただけだろうから、そう拗ねるなって」
(いや、それはそれで普通に性格悪すぎだろ。そんなんだから彼女いねんだよ、知らねえけど……って、俺のキャラメルはどこいった?)
(絵どころか俺だけメッセージすら書いてもらえなかっただけじゃなく、最後の楽しみである生クリームまで無くなるとかたまったもんじゃねえぞ!)
とか思いながら何となく目線を横にずらすと黒のマジックペンと誰かのカップを持っていた彩乃が
「はい、これひーくんの分♪」
そう言いながらこちらに差し出してきたカップには丸っこくてかわいいクマの絵と『 \ガオー/ 』というセリフが書かれていた。
「………彩乃と一緒ならまた来てあげなくもない」
「なんでお前はそんなに上から目線なん―――いっーーー⁉ (誰だ、俺の脛を蹴った奴は?)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます