第74話:お互いに愛し合う (中)

その後も俺の髪の毛がドライヤーによって乾いていくスピードと彩乃がこちらに迫ってくるスピードが全然合っていないどころか、お互いの距離が近づけば近づくほどそれはどんどん早くなっていき……数分とせずに俺達は抱きしめ合っていた。


「こうしてると彩乃の心臓のドクドクが伝わってくるけど、なんとなくそれで気持ちよくなってくれてるのが分かる」


「ひーくんは既に知ってるみたいだけど女っていうのはこうしてイチャイチャしてるだけでも快感を得られてね……今すっごく幸せな気分なの」


そう言い終えた後、彩乃は俺の硬くなっているものに自分のお腹を押し付けてきながら


「ひーくんはどう? やっぱりまだ満足できてない?」


そんな彼女の問いに対し俺は右手で頭を撫でながら


「全然そんなことないよ。まあもっとイチャイチャしたいっていうのはあるけど」


「ほんとう? 我慢してるならちゃんと言ってくれていいんだ―――きゃっ♡」

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