第45話:バレンタインデーⅣ
その後も定期的に今自分がどこにいるのかを彩乃に報告をしたり、ちょっとした会話をしたりを繰り返していると駅前から乗ってきたタクシーが学校に到着した。
(何も考えずにここまでタクシーで来たけど普段こんなアホみたいに金を取る車に乗って学校なんて行かないし、そんなもん使ってたら母さんに怒られるからどうしてもって時は現金で払ってたけど ……今俺現金ないじゃん)
「2640円になります」
(ふざけんな。バスならここまで230円で済むぞ、おい。 ……待ち時間とかを考えれば少なく見積もっても30分以上は早く着いたけど)
「カードでお願いします」
(母さんにこのことがバレませんように)
なんてことを思っているうちに支払いが済んだので俺はカードを受け取りながら運転手さんにお礼を言い、自分の教室に向かって走り出した。
「なんで2年生の教室が3階にあって1年生の教室は2階にあるんだよ。普通逆だろうが、ボケ校長」
誰もいない廊下でそんな愚痴を言いながら前のドアから教室内に彩乃以外誰もいなことを確認しながらそこを走り抜け、そのまま遅刻ギリギリで滑り込むような感じで後ろのドアから入ると
「っ⁉ ………ビックリしたー」
「はぁ、はぁ、はぁ……私、メリーさん。今、彩乃の目の前にいるの。つってな」
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