第44話:その頃彩乃は

ということで早速ひーくんに今日学校に来られそうかのL○NEを送ると16時半前後なら大丈夫そうという返信が返ってきたため取り敢えず許すことにした私はそのまま教室へと戻り、彼から何か送られてきたらいいなとか思いながら真っ暗な画面のスマホ眺めていると

___________

 ひーくん

 写真を送信しました

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___________

 ひーくん

 今俺が乗ってる………

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(んっ、きた!)


ひーくん:《今俺が乗ってる新幹線が発車した》


(あれ、さっきは14時6分発の新幹線で帰るって言ってたのに)


「おはよう、彩乃ちゃん」


スマホを見るのに集中していたせいで明日香が登校してきていたことに全く気付かなかった私は咄嗟にひーくんの仕事の件がバレては拙いと思いスタンプだけ送ってからスマホの画面を消し


「おはよう明日香。今日は遅かったね」


「どうしてもこの時間に登校だと電車とかの時間が合わなくてさ………」






その後成績発表の時間となり担任の先生が出席番号順に生徒を呼び出し、総合成績が書かれた紙と一緒に軽く今後について数分程話す。というのを開始し始めてから10分ほどが経った頃、何やら真剣な表情でスマホを見ていた明日香が後ろを振り向てきて


「今よーくんからこんな相談が送られてきたんだけどさぁ」


そう言いながらひーくんとのトーク画面を見せてきたのでそれを順番に読み進めていくと


・さっき私に駅名表の写真と自分の状況を教えてくれたのは少しでも待っている間の不安が消えればと思ったから。

・今回みたいなことは滅多にない&相手が女子ということで尚更さっきの私に対するL○NEが正しかったのかが分からない。

・返信がスタンプだけだったんだけど、これってやっぱりウザかったってことなのか?

・それともタイミングが悪かったかなんかで引き続きこまめに連絡をしても構わないのか。

・正直女子については何にも分からんからないので教えてください倉科様。


といった感じだった。


(なにこのさっきまでの彼に対する怒りなんてどうでもよくなるくらいの素敵かわいい相談。もーう、今すぐぎゅ~って抱きしめながら『全然そんなことないよ』『そこまで私のことを考えてくれてありがとう』って言いたいんだけど)






「よーくんがいきなりの呼び出しでも大抵は文句を言いながらも可能な限り急いで駆けつけてくれるっていうのは部活の人達から何回か聞いたことがあるから知ってたけど……流石に今回は相手が彩乃ちゃんだったり、2月の14日だからかな?」


「別に自分が特別とかっていうわけではないけど、友達相手にそこまでするかって言われたら……ひーくんからだ」


ひーくん:《今○○駅に着いた (写真付き)》


「なんかこれメリーさんの電話みたいだね」


「確かに。ちょっと悪戯しちゃおう」


彩乃:《私、メリーさん。今、ひーくんの後ろにいるの》


ひーくん:《一瞬本当にいるかと思って振り向いちゃったじゃねえか!》


「「あはははは」」

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