第40話:その頃彩乃は

別に近いうちに引っ越す予定があるわけではないけれど、もしかしたらということが無きにしも非ずということで私は明日香とI○EAの店内を見て回っていた。


「それでねL○NEを交換してから毎日ひーくんとその日にあったことを報告しあったりしているんだけど、最近はあっちから送ってきてくれることもあるんだ」


「この調子なら二年生のうちによーくんの彼女さんになれそうだし、その後も心配なさそうだね」


「………ねえ、あれってひーくんじゃない? ほらあのサメの人形を選んでる人」


「本当だ。隣にいるのはひっしーだね。ちょっと面白そうだからこっそり近付いてみようか」


そんな明日香の提案に乗った私は二人の声が聞こえる、でも気付かれない場所へと移動すると丁度気に入ったものを見つけたところだったのかそれを抱きかかえながら


『サメ~』


「(みんなでゲームセンターとか行ってもUFOキャッチャーは絶対にやらないからあんまりぬいぐるみとかには興味ないのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだ)」


「(なにそれズルい! 私もひーくんと一緒にゲーセンに行きたい)」


「(いつも使ってる外部コートが当日じゃないと予約できない関係で数時間空いちゃったりすると暇だからってことで近くのラ○ンドワンに行くことが多いんだけど、多分来年も行くと思うよ)」


「(じゃあ許す)」


「(許すってなに⁉)」


『パク、パク、パク。はい健太食べられたー』


『あはははは、アホ過ぎて面白、ぶっはははは』


「(なにあのひーくん、可愛すぎるんですけど~。私にもあれやってほしい)」


「(ん? 彩乃ちゃんのスマホ鳴ってる、けどすぐに止まったってことは電話ではなさそうだね)」


「(音的にL○NEだと思うんだけど、誰からだろう)」

___________

 ひーくん

 写真を送信しました

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「(………見てみて明日香! ひーくんからサメのぬいぐるみを抱っこした写真が送られてきた!)」


「(よーくんって写真を撮られることが嫌いなはずなんだけど、珍しい)」


「(これロック画面にしちゃおう♪)」

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