第35話:その頃彩乃は

『先ほどイチからこんなL○NEがきたんだ』


そう言いながら校長が見せてきたL○NEの内容を要約すると


・ウチのクラスの男子のS○itchがなくなった

・教室内の空気的に盗まれたと思われる

・盗んだのはA男の可能性が高い。(A男の写真付き)

・それが本人のものか確認する方法は―――

・あとはアンタがどうにかしろ


という感じだった。


『本当はこういうこと言っちゃダメなんだろうけど、A男君なら……うん』


『それで校長はどうするんですか?』


『もちろんここまでの情報が揃っている以上無視はできないからね、本気でやらせてもらうつもりだよ。イチが求めている生ぬるい解決方法とは真逆の方法を取らせてもらうつもりだけどね』


『………お話は分かりましたけど結局それと私になんの関係が?』


『ん? まあ私はイチから友達兼年上の男として相談とまでは言わないまでも話くらいは聞くことがあってね。もし君にその気があるのならば私の行動に対し一体彼がどんな反応をし、どう動くのかを見ていてはどうかなという年寄りの助言を少しだけ、と思ってね』






先ほど校長から聞かされた話を思い出しながら言われた通りバレないよう気を付けながらひーくんのことを観察していると校内放送が流れ始め、有言実行と言わんばかりのえげつなさで犯人探しが始まった。


するとひーくんは無表情ながらも怒っているのがハッキリと分かるオーラを出しはじめ、ついには聞こえるか聞こえないかくらいの声量とはいえ普段の彼からは想像できないような声色で


「(チッ、あのクソ爺。ワザとやりやがったな)」

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