第33話:修学旅行3日目

昨日は打ち合わせが終わった後にL○NEを確認してみると倉科から折り返し電話するようきていたので掛けなおしたところ、明日は一緒にどこか行こうだのなんだの言われたが明日は遅くまで寝たかったり仕事をしたかったりがあったので適当な理由をつけて全部断ったところ


『じゃー、もう帰りの飛行機のチケットはよーくんの分も私達が先生から貰っておくから! この馬鹿‼』


とっ、よく分からんが怒られた挙句あっちから電話を切られてしまった。






そして今現在、俺 (窓側)・佐々木 (真ん中)・倉科 (通路側)という感じで飛行機の席に座らされているだけでなく、佐々木に関しては疲れが溜まっていたのか人の左肩に頭を乗せながら静かに寝ていた。いや、俺が寝たいんですけど。


ちなみに何回か倉科に助けを求めたものの全部無視されたため俺は下手に触って痴漢扱いされても嫌だということでそのままにし、右手だけでPCをカタカタしていた。一応ビビりながらも毛布は掛けてやったけど。


(なんで女子の髪の毛ってこんなにいい匂いがするわけ? しかも髪の毛以外からもいい匂いがするは、寝息・寝顔ともにエロかわいいは、俺の二の腕に当たってる佐々木の色んな部分が温か柔らかいわで情報量が多すぎるんだけど)


なんてことを最初は思っていたものの仕事に集中しているせいか全然気にならなくなったというか、逆に落ち着くような気がし始めてきた頃


「(ねえ、今何してるの?)」


真ん中で寝ている佐々木に気を使ってか倉科はそう小声で聞いてきたので俺はキーボードを打ちながら同じくらいの声量で


「(やっと喋ったかと思えばそれか。じゃあ勉強)」


「(………結局昨日は誰と何をしてたの?)」


「(一人で散歩)」


「(じゃあ今よーくんに彼女か好きな人っているの?)」


「(いない)」


「(本当? 嘘だったらよーくんと校長先生のこと学校中にバラすからね?)」


「(………好きな人はいるかもしれない)」


「(へー、ちなみにどんな人なの?)」


「(見た目は超可愛くて、多分超いい人で、……あとは何も知らん)」


「(それってもしかして彩乃ちゃんのこと?)」


「(うん)」


「(なんで好きになったの?)」


「(多分超いい人で、超可愛くて、……なんか超好きになってた)」


「(告白したりしないの?)」


「(お互い相手のことをよく知らないけど取り敢えず、みたいな感じで付き合ってすぐに別れるとかいう理解不能なことはしたくないから嫌だ)」


「(じゃあさ、彩乃ちゃん側はよーくんのことをある程度知ってるとして、告白されたらどうするの?)」


「………………」


『この飛行機は、ただいまからおよそ20分で○○空港に着陸する予定でございます』


「(おい、そろそろ佐々木のことをどうにかしてくれ)」


そう再度救助を求めたところ大人しくゲロったからどうかは知らないが、少なくとも倉科の機嫌は戻ったらしく佐々木のことを引き取ってくれた。


そのため俺はスマホの目覚ましを10分後に設定したのちイヤホンをし、目を瞑った。

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