「であるからして、ここ重要だから線引いておけよ」

(あっ、別のところ見てて今の話聞き逃しちゃった。明日香にでも聞こうか、と思ったけどこの先生ちょっとでも後ろを向いてる人がいると五月蠅いんだよな。まあいくら自由が利くとはいえ授業中のお喋りが許されているわけではないし、分からなくもないけど。……そういえば一之瀬君がさっき教科書に線を引いていたような)

そう思った私は顔を横に向け、チラッと教科書を覗かせてもらうと

(なぜに魚の呼吸法についての部分に線を引いた？多分だけどそこは基礎過ぎてテストには出ないと思うんだけど。付箋まで貼るの？そのページに？というか)

「ん？」

「あ、違う違う。何でもないから気にしないで」

私の視線に気付いたのか一之瀬君は軽くこちらに付箋を差し出してきたので私はそう言いながら正面を向きなおし

(いつも先生が黒板を書いている時は手を止めていたり、逆に先生が喋っている時に手を動かしたりしているけど、いったいあのPCで何をしているのだろう？)

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