第6話:その頃彩乃は

新学期二日目。私は昨日と同じく友達と教室の前で別れて自分のクラスへ入ると、今日から部活の朝練がある人もいるのか結構人が少なく明日香もまだ来ていないようだった。その為テニス部も朝練ってあるのかな? と少し疑問に思ったものの既に自分の席で本を読んでいる一之瀬君が目に入り


(あれ? 昨日はちゃんとネクタイをして制服のブレザーも着てたのに今日はどっちもないどころか、学校指定のじゃなく前をボタンでしめるタイプのセーターを着てる。まあ私も人のこと言えないけど)


(意外と真面目そうに見えて中身はそうでもないのかな? んー、でもその他は別に着崩したりしてるわけでもなければラケットバックも歩く人の邪魔にならないようちゃんと端っこに置いてあるし、やっぱり真面目?)


(というか相変わらず隙が無いな。ここまで隙が無い人も珍しいけど、もしかして何でも出来ちゃうタイプとか? もしそうならちょっと私は苦手かも)


昨日の電話のこともあり一人頭の中でそんなことを考えていると、明日香が登校してきたらしく『おはよう』と声を掛けてきてくれた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る