第15話
老人たちから距離にして約五メートル。藪の中に潜んでいた瀧とマルは、ドローンを安定して飛ばそうと躍起になっていた。
「おい、マル! 『森っ子X』が小夜たちに近寄り過ぎてないか?」
いつからその名前になったのかと突っ込みたいが、マルには難しかった。「自動で
瀧は気づいていた。マルに、いつものようなおっとりした雰囲気がない事に。それだけ友人は焦っているのだ。
「よし! 俺に任せろ。制御を手動にしてくれ、マル。それとコントローラーを貸すんだ。俺の運動神経なら、あの鳥モドキを空中でピタリと止めて見せるぜ」
「あのね、瀧には説明していないけど、この機体はもともと操縦が難しいんだ。さらに今は急ごしらえの過激なセッティングなんだよ? いきなり操縦できるわけがないじゃない。もし壊れたらどうするのさ」
「いいから貸せって……ばっ!」
「ちょっ、駄目だって!」
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