子爵様の家に入るちょっと前
さて、子爵様宅に初めて行ったときの事でございま。
予め兄と姉がいることは聞いておりましたが、兄姉様にお会いした事はございません。ですから、大変心配でございました。ですから子爵様に、その事について確認した次第でございます
「あの、お父様、お兄様やお姉さまには、私の事をどのように説明していただいておりますのでしょうか」
と、尋ねると
「うん、心配はないよ、大丈夫だよ」
との返事。これはきちんと伝わっていないのではないかと思いましたので、もいちど
「お姉さまと、お兄様はお母様を亡くなられてまだそんなに日が経っておりません。私が兄姉様の年で母をなくした事を考えると、このショックはたいそう大きいのではないかと思われます。ですから、自分には愛人と娘が居て、その二人を皆と同じ家族として迎えたい、きちんと説明して、了解をいただきたく存じます。
お父様とお母さんのこれからの生活と幸せのためでございます。
その点で安心ができないのであれば、私はお父様の家にいくのはできかねます。」
そう伝えた時の子爵様の表情は、たいそう驚きの様子でした。
なんかお母さんに叱られた気分だ、と、母に話しておりました。やっべぇ、リアル年並が出ちゃったと思いましたがおかげて、兄姉にきちんと説明してくださったようです。
ただしその話し合いの中で私達が子爵様の家に入るのは一ヶ月ほど後と言うことになりました。
そして、その間に子爵様のお家から、私に礼儀作法を教えるためにサリバン侍女長が来てくださるということになり、私はサリバンさんから貴族の礼儀作法を教わることになりました。
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