side α-2

─SMSによる犬養と雀部の通信記録─






「17期、見終わりました」>


<「どうでした?」


「一人称視点のドラマって新しいですね」>


「動画と音声だけなのにモノローグまで聞こえてくる気がしました」>


<「分かります!自分の見るとそんな感じがしますよね」


「動画の中で便器に吐くとこ、僕も吐いちゃいました」>


「ヘッドホンだと音がリアルで」>


<「(あちゃー、の絵文字)」


「没入感はすごかったんですけど、分からないところがいっぱいあって」>


<「ちなみにどこですか?」


「”先生”ってホモなんですか?」>


<「ちがいますよ!!!!!!!!!!!!!」


<「あれはホモとかじゃなくて師弟の絆です!!!!!!!」


「そうですか?」>


<「断じて!!!!!(怒りの絵文字)(怒りの絵文字)」


「分かりました…………」>


<「いや広義ならホモだしそれはそれで1つの解釈ですけどね?」


<「1期見てくださいそんなこと言えなくなるので」


「はあ」>


<「そういえば彼はどうでしたか?」


「馬渡はちょっとアレでしたね」>


<「アレですよね」


「この話やめましょうか」>


<「はい」


「あと、最後すごくいいところで終わっちゃうじゃないですか」>


<「終わっちゃいますよね…………(泣き顔の絵文字)」


「あれ以降の記録はないんですか?」>


<「ないんです、毎回突然途切れてて」


<「記録だけじゃなくて、あの瞬間に世界自体が終わってると思うんですよ」


<「私の解釈ですけど」


「うーん」>


「18期先にみてもいいですか?」>


<「1期を見ましょう」


<「下手に先に進むより、最初を見たほうが類推で色々分かります」


「なるほど…………」>


<「なんなら横で一緒に見て解説しましょうか?」


「いや、それは地獄ですよ」>


「シリーズ全部見てる人の解説聞かされながら見る作品ほど無味無臭なものはないです」>


<「電車で1時間以内なら行きます」


<「どうせ暇ですよね」


「聞いてますか???」>






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