第174話 もう限界
「友子、いい加減にして。素出川はどこ? もうこんなに学校へ来ないのはおかしいよ。知ってるなら教えてよ。もう私が悪かったから、素出川が無事だったらアンタに上げるから。素出川を返してよ」
支離滅裂だった。
実は、毎日の様に素出川のアパートに足を運んでいた。
いつも居ない。中に携帯があるみたいでLINE通話のボタンを押せば、音が聞こえた。
でもそれはいつの頃からか、聞こえなくなった。
電源が切れたのか、スマホを取りに来たのか。
可能性としては、両方だ。けど、私には確証が無い。だから不安。だから切ない。もうどうしようもないから、友子に頭を下げた。
帰り道に、友子を捕まえて、裏路地に引き摺り込んだ。
多分、怪我しているかもしれないけど、知らない。
関係無い。
どうしようもない。
素出川がいないのが、辛い。
他人を。
素出川以外を構っている余裕が私の中で、無くなった。
分からない。
ダムが決壊したいみたいに、感情が溢れた。止める気が起きなかった。
生理のせいかもしれない。
欲求不満から?
分からない。
「私が、メロンに教える訳ないでしょ? 知ってても教えない。その後ろに居る男もアンタも大っ嫌い。スーくんを奪ったのはアンタよ。アンタが私のスーくんを奪ったんだ!!!」
叫びだった。
私の後ろに黙って立っている陽太郎は無言。
感情の無い表情で見ている。
「ねぇ。友子。私も分からないんだ。どうしていいか。ただね。素出川に会いたいよ」
「メロン、私もスーくんに会いたい」
友子は本当に素出川の場所を知らないみたいだった。
ねぇ? 素出川、アンタ何処に居るのよ。
女二人を泣かさないでよ。
続く。
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