読了いたしました。
最後の忠輝の、舞台劇のモノローグにも似たダイアローグは、寂寥というか大悟というか、そのようなモノを感じさせます。
若い頃、もう少し円やかな人となりだったら、徳川の親藩、ご意見番として長らえたかもしれませんね。
戦国乱世の最後を飾る大坂の陣、あるいは豊臣家に翻弄され、別れ別れになってしまった親子、夫婦……その行く末を描いた逸品だと思います。
面白かったです。
作者からの返信
長らくお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。
お心の籠もったデビューも、合掌しつつ未読させていただきました。
わたしの書くものなど……と思っていましたので、『小松姫』にご着目くださいました四谷軒さんとのご縁に、心から感謝しております。m(__)m
3代将軍家光の弟・忠長も、忠輝とは別の意味で悲惨な人生を駆け抜け、若くして客死していますが、権力の護持に兄弟の争いは避けられないのでしょうね。
いま読んでいる本によれば、寛永8年(1631)5月、江戸周辺で異常気象が発生して多くの被害が出たが、その日がちょうど豊臣家滅亡の5月8日、しかも17回忌に当たったので、人びとは秀頼の祟りと懼れたそうです。いつまでも解き放たれない千姫の業を想いました。
戦国に翻弄された3人の姫と、関わった武将や家族の鎮魂を願っております。
上月様の背を押しつづける魔力のようなものを感じ圧倒されました。登場人物ひとりひとりをやさしく抱きしめながら書かれたような人間小説でした。ありがとうございました。
作者からの返信
本当に拙い若書きを辛抱強くご高覧いただき、たいへん恐縮に存じます。🙇
数年前に書いたものですが、もうあの当時のような体力も気力もありません。
歴史小説はすでに先人が書き尽くしたものをどう書くかも問われますし……。
この猛暑のなか下手な小説もどきに最後までお付き合いいただき、感謝感謝でございます。