終点
おこげっと
終点
私は電車に乗った。夜も遅くあまり人が乗っていなかった。
寝不足という事もあり、眠りに落ちてしまった。
夢の中で1匹の虫に会った。
虫は厳かな雰囲気で私に話しかけてきた。
「あなたは裁きを信じますか?また裁きは必ずしも悪を裁きますか?」
私は少し考えて言った。
「悪とは非常に強かで裁きという抽象的なものでは滅びない。」
「では…弱者こそが裁かれるべきと?」
「弱肉強食の世界ではそれが当然だろう。弱いものに生まれたこと、その弱さを克服しなかったからこそ裁かれるのだ。」
「あなたには人の心が無い。」
「虫がそれを言うのか。」
私は嗤い虫を踏みつぶした。
目が覚めると終点だった。
電車から降りるとそこでは人も、虫も、獣も、関係なくお互いの命を懸けて戦っていた。
「そうだ。これこそが私が望んだ世界。」
私もその戦いに混ざり、一つになった。
終点 おこげっと @okogetto
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