「注目度=戦闘力」となるバトルに勝利するため、スクールカースト最底辺の俺は《炎上》する
@toichi01
プロローグ
――――青春の弾丸が俺の体を貫こうとしていた。
周囲にはたくさんの人だかり。校内ドッジボール大会の映えある決勝なのだからコートの周囲にたくさんの人がいるのは当然の事だった。
問題はこの場にいる俺だ。
陰キャの中の陰キャ、青春アンチである俺がコートの中に残ったただ一人の味方と言うのが、問題の一要素を担っているのは間違いない。
なんで学園生活の舞台裏の袖で毛布にでも包まってガタガタ震えているのがお似合いのこの俺が、こんな青春の舞台でスポットライトを浴びなきゃいけないのか理解に苦しむ。
さらに俺の相手を務めるのは完全無欠の生徒会長様だ。カリスマの塊で陽キャ共を付き従える女傑と俺とではまさしく正反対の人間。月とスッポン。象と蟻。
どちらがどちらなのかなど言わなくても分かる。つーか分かれ。
さらに今俺が着ているこの“恥ずかしい服装”が問題だ。
俺は仕方なくもこんなものを着て、このコート上に立っているのだ。
陽キャなら受け狙いの一種かと笑って許される青春の一コマには違いないが、俺がそれをやれば嫌われることこの上ない。
今も非難轟々のブーイングが俺の四方八方を突き刺す。突き刺しているのは味方である筈のクラスメイト。俺が心臓弱かったら死んでるよ、これ。逆説的に俺の体は健康体。
だが、逃げる訳にはいかない。
こんな場所にいるのは場違いでこそあるが、しかし必要だから俺はここにいる。
本来、ここにいられるような存在でなくとも、気色の悪い恰好をしていても、俺はここに踏みとどまって、さらに生徒会長に一矢報いなくてはならない。
学園でも屈指の嫌われ者である俺だからこそ、用意できた青春の一幕。
だから俺はどれだけ嫌われようが、この勝負で負ける訳にはいかない。
いや、言い直そう。
嫌われれば嫌われるほど、俺は“神様の力”で以て勝利へと近づけるのだ。
この言葉と状況の意味を説明するには、少し前からの俺の灰被りの学園生活を語らなくてはならない。
ではここに至るよりも少し前より時を戻そう――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます