称号のないもう一人の勇者

背伸びした猫

プロローグ

 この世界には、スキルと魔法と魔力と呼ばれる概念が存在する。

 スキルは固有のものであり、全てが天賦のものである。後天的なものは、一切ない。

 魔法は誰でも習得できる。しかし、その実力はそれぞれの才能によって左右される。

 これら二つを使用する際に消費するのが魔力と呼ばれるものである。人によって保有量も、努力による伸びしろも異なる。魔力の保有量は、この世界では強さの指標とされていた。いくらスキルが強かろうが、いくら魔法が使えようが、魔力が無ければすぐにガス欠してしまう。

 その世界の人間は、魔王率いる魔族と戦っていた。魔王は膨大な魔力を保有し、その圧倒的な物量で人間を蹂躙していった。

 そしてあるとき、人間側に一人の少女が生まれた。その少女は魔王に匹敵するほどの魔力を持ちながら、強力なスキルを有していた。

 人々は少女を勇者と称し、共に魔族に打ち勝つために戦った。そして、勇者は人々の応援に応え、見事に魔王を打ち滅ぼした。

 しかし、人々は知らない。表舞台に立つことなく、人間が魔王に打ち勝つための功績を上げていた男の存在を――。






Next >>> Chapter01[人売り]

――――――更新予定日時――――――

(2020/05/01 00:00)---> プロローグ

(2020/05/04 01:01)---> episode01

(2020/05/07 02:02)---> episode02

(2020/05/10 03:03)---> episode03

(2020/05/13 04:04)---> episode04

(2020/05/16 05:05)---> episode05

(2020/05/19 06:06)---> エピローグ

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