ぷちぷち日和

六理

くもをただよう

 あまりにも呆気なく失われたもの。


『ようこそ、ぷちぷち日和へ』


 白いページに、淡い色彩で浮かぶ文字。


 今は閲覧避けを施された、かつて一日に何度も足跡を残されたサイト。

 最低限のフレームと、最低限のコメントと、どこかで撮られた夕暮れの風景の画像。

 メインは文章ではないが、飾らない文章が好評でほぼ毎日更新されていたサイトだった。


 けれど、そのサイトの更新日付は二年前でとまっている。


 いつの間にか人々から忘れ去られたそのサイトは、それでもひっそりと残っていた。


 帰ってくるともしれない人間を待ち続けて。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る