第4話
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ファミリーレストランは正午とは言え、人は疎らだった。食事をする側にすればうれしい。待つ時間も少なく、バイキングも取り放題だ。
娘の為にいくつかの品を皿に乗せると娘の待つテーブルに戻る。娘は既に小さなカップに注がれたジュースを飲んで僕を待っていた。テーブルに置くと僕は娘に言った。
「おまちどう様」
娘が笑ってフォークを皿に出す。それを僕が急に手でふさいだ。
それを見て娘が顔を膨らませる。
「パパ、何でそんな嫌な事、ミナにするの?」
僕が笑う。
「ミナにパパが聞きたいことがあるからだよ?」
「聞きたいこと?」
首を傾げる。
「そう、パパが聞きたい事にちゃんと答えてくれたらちゃんとあげるよ」
「えー!!」
娘が目を丸くして藪睨み。可愛い眼差しに僕は微笑む。
「何を聞きたいの?」
うん、と僕は娘に言う。
「指輪を見つけた時さ、優君と遊んでいたんだよね?その時の事」
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